仲間と共に

子供誘拐事件7 ページ11

慧side



…これも違う。


知念に許可もらってから2日目。思ってるよりも情報が出てこなくて参ってる。それに意外とキツくなってきた。やっぱ3日寝ないのは無理があったかな？

でも子供達はもっと辛い思いしてるかもしれない。早く助けてあげなきゃ。


ガチャ


薮と光が入ってきた。


薮「どうだ？伊野尾」


慧「ダメ。出てこない。」


光「そう思ってね、また聞き込みしてきたの。そしたら知ってる人がいたよ！」


慧「ほんと⁈教えて。」


薮「…名前は阿井宇 江尾(あいう えお)。男だって」


光「前までは家族と仲良くてしょっちゅう見かけてたんだけど何年か前から全然見なくなったんだって」


薮「ごめん、ここまでしかわかんなかった。」


慧「いや、十分だよ。名前さえわかればこっちのもん。個人情報探ってみるね。」


全然情報出てこなくてイライラしてたけどみんなのおかげでわかりそう。あともうひと頑張りだ。


薮「…お前、体調悪いだろ。」


慧「…やらなきゃいけないの。おれのことなんかどうでもいい。」


薮「…今日中にやめろ。明日は倒れるぞ。」


慧「うん。大丈夫だから。」


光「1人で大丈夫？」


…そういえば…。意外と大丈夫だったわ。思い出さなければ大丈夫。


慧「意外と大丈夫。」


光「そっか。変われた？」


慧「…まだ。でも、少しは進んだと思う。」


薮「がんばれよ。」


光「またあとでね。」




作業を開始する。









…そうだったのか。全部わかった。
こんなのおかしい、勝手な逆恨みじゃねえか。子供はなんも悪くないじゃん。

早く助けてあげなきゃ。傷ついてる子もいる可能性が出てきた。



みんながいるリビングに降りて真相を話す


ガチャ


慧「みんな…お待たせ。」


「「「いのちゃん！」」」


薮「終わったか？」


慧「うん。全部わかった。」


大「ありがとう！いのちゃん」


光「よくがんばったな。」


これから話そうって時にちょっと視界がぐらつき始めた。…がんばれ、おれ。あと少し。



慧「犯人はやっぱり阿井宇江尾。薬品開発者。子供に勝手な恨みを持って誘拐した。5年前まで妻と子供2人と幸せに暮らしてた。でもある日、いつも通り仕事に行った阿井宇の子供と妻が近くの倉庫で殺された。殺したのはどこのどいつかも知らないやつ。無差別に家族を狙って殺し回ってたらしい。絶望に落とされた阿井宇は幸せに暮らしてる子供を誘拐して、親に同じ苦痛を味合わせようとした。」

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