二つの姿を持つ姫 (ページ8)

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消えた王女ページ8

リンクが部屋をでていき、Aはずっと窓の外を見ていた。時折兵士が何人も刺されていた。Aは戦えない自分をずっと呪っていた。

私が戦えれば、あの人たちもまだ生きていたかもしれないのに…！

ドドオオォォォンッ

すると突然、大きく地面が揺れた。

『うわわっ！』

Aはベッドから落ちてしまった。何事だ！と、待機しろと言われていたことを忘れて思わず外に飛び出してしまった。外は薄く血の匂いが漂っていた。
音のした方へ走っていくと、リンクが巨大なドラゴンのような魔物に深々と剣を刺していた。

『！？』

Aは驚いた。訓練兵であるにも関わらず、巨大な魔物を倒す彼の姿はまさに、

伝説の勇者

そう呼べるほど輝かしい人に見えた。

そのあと、リンクはどこかへ走っていってしまった。Aは遅い足で一生懸命ついて行った。すると、インパが彼に勇者の証である“緑衣”を差し出していた。

『あの！…リンクさん。リンクさんはあの“伝説の勇者”なのですか？』

Aは思いきって壁から顔をだした。インパとリンクは驚いたような顔をした。やがてインパがAの元へ歩いてきた。

インパ「A。一人にさせて悪かったな。しかし勝手に出てきてしまったら危ないだろう」

『す、すみません…でも、大きな音が気になって…』

Aは頭を垂れた。インパがAの肩に手をのせて、強めに握った。Aは頭を上げてインパを見た。インパは真剣な顔でAを見、そして

インパ「いいかA。落ち着いて聞いてくれ。

＿＿ゼルダ様が居なくなられた…」