二つの姿を持つ姫 (ページ31)

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これからどうするかページ31

シア「…お前は私の半身。勇者を欲する想いは同じはず…。その想い、告げなくて良いのか？」

ラナはリンクを振り替える。そうだったのか…といった驚きの表情を、リンクは浮かべていた。

ラナ「二人はいつの時代も強い絆で結ばれてきた。私が割って入ることなんて出来ない。」

シアは、今まで浮かべたことのない優しい笑みを見せた。

シア「ハハ…もどかしい奴だ…」

目を閉じて、静かに消えていこうとするシア。

ラナ「！！」

そんな二人を、私たちは居たたまれない気持ちで見つめていた。やがて、トライフォースが現れる。ラナはトライフォースをその手に宿して、笑みをつくってこちらを振り向く。

～～～～～～～～～～
ハイラルに平和が戻った。戦いに協力してくれた仲間たちももといた世界に戻り、転生の扉も全て閉じ、リンクも伝説の勇者として皆に称えられた。白い鳥が、まるで平和が戻ったことを祝福するように空に羽ばたく。

その頃、私はゼルダ様に呼ばれて姫の部屋に訪れていた。この部屋に足を踏み入れるのは二度目だな。

＿＿＿♪♪ ＿＿＿♪

ゼルダ様が美しい音色をハープで奏でる。シークさんが戦っていた武器である物だ。その隣には、インパ様が微笑を浮かべてゼルダ様を見ていた。

ゼルダ「…来てくれてありがとうございます。A。」

ゼルダ様が振り向く。それは、前と変わらない本当の笑顔。

『は、はい！それで、話とは？』

ゼルダ「決まっています。私たちの、これからについてです。」

何故かとても緊張した。やっぱりゼルダ様は私のことを嫌いになったんじゃないだろうか…

ゼルダ「貴女は………私のことが好きですか？」

『？はい！勿論、恋愛対象としてです！』

ゼルダ「ですが…」

姫は言いにくそうに口元に手を当てる。

「貴女が想っているのは“シーク”でしょう？」

「それは私であり私ではない」

「それでも私は貴女のことが好きなんです！」

『！』

確かに私は、初めはシークさんに恋をした。しかし、その正体はゼルダ姫。女同士なんて無理かな？なんて考えたのだから、私はゼルダ姫に恋をしていることになる。ゼルダ姫も、私を想ってくれていたことにとても嬉しくなっているのだ。

『私も好きです！確かに初めはシークさんに恋をしました！ですが、それがゼルダ様と分かって正直安心しているんです！本当にゼルダ様自身が好きなんです…』

ゼルダ様は泣き始めた。ゼルダ様に近寄って抱き締める。

そんな私も嬉しさで泣いた。