好きかもしれない ページ27
Aはシアの元へ戻ってきた。
シア「やっと帰ってきたと思えば、ただお話ししてきただけなのね。」
『…』
憎かった。シークであることを隠していたゼルダにとってではなく、その事実を受け止められなかった自分が。だから逃げた。どれだけ力を持とうと、どれだけ強い軍勢の味方になろうと、やっぱり私は
弱い
もともと力なんて持っていなかった。気持ちもまだ子供のままだったのだ。
シア「次は私も出ようと思うの。勇者が来てくれるみたいだからね。貴女も、覚悟は出来てる？」
『………ああ、もちろん。』
シア「ウフフ、それで良いわ。」
そのとき少し体の力が抜けた感じがしたのは、きっと気のせいであろう。
〜ラネール渓谷〜
ゼルダ「今よりここを我々の本拠地とします！魔方陣を使うため、出来るだけ多くの魔物を本拠地近くに集めてください！」
女神の泉を本拠地としたゼルダ。本拠地にある魔方陣を使って、魔物の数を有利に減らそうと考えたのだ。仲間はそれぞれの敵に向かっていた。
リンク「こうやって皆で探し回ってたら、いつかAも見つかるかな？」
ラナ「Aちゃんがシアに付いてきていたら見つかるかもしれないよ！」
リンク「ゼルダ姫も、ずっとAを心配してるみたい…」
ラナ「ん？ちょっとまって！シークの今までのAちゃんに対しての行動って、なんか恋人っぽい距離感あったよね？それで、シークがゼルダって分かったでしょ？てことはさ、ゼルダはAちゃんのこと…好きなんじゃないの！？」
リンク「え！！それって、恋愛的に見てってこと！？」
ラナ「多分そうだよ！！なら、早くAちゃん見つけてあげなきゃ！」
ラナは走るスピードをあげて、魔物を引き付けた。
大体の魔物が集まったところ、ゼルダが魔方陣を発動させた。魔物の数はすごい勢いで減り、こちらが有利になった。
ゼルダ「皆さん！今が有利です！力を合わせてシアのところまで登りましょう！」
ヴァルガも無事倒し、リンクとゼルダはシアのところまで向かうところだった。触手があったところまでくると、Aがいた。
ゼルダ「！A！！」
声に反応して振りかえる。光のない右目が虚ろにゼルダを見る。ゼルダはそれに怯えもしなかった。
ゼルダ「A。一緒に戦っていたときを思い出してください。協力して、敵に立ち向かってくれていたでしょう？もう一度こちら側で、一緒に平和を取り戻しましょう！」
ゼルダが説得する。
『……ごめんなさい。』
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作者名：めんごねん | 作成日時：2017年7月24日 9時
