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24.雪の記憶 ページ24

*

炭治郎side




寒い朝だった。



一人だけ目が覚めて、そっと扉を開けたら


まだ誰も踏んでいない雪が


やわらかく、降り積もっていて


まっしろで、まっさらで




雪ではないような気がして



じっと見つめていた







訓練で汗をかくであろう善逸たちのために

部屋に手拭いを取りに行った。


早く戻らないとな。



扉から出ようとしたとき


白が光った。




  あ、雪…




って何考えてるんだ、声かけないと。




炭治郎「、A!どうしたんだ?こんなところで。」


A「かまどたんじろう、さん。」


炭治郎「おぉ、覚えててくれたのか!ありがとう。」




A「じろう、さん?」

炭治郎「え?」



ん?次郎さんっていったよな、え、でも俺は炭治郎なんだけど


俺の声を聴いた瞬間に



彼女のまっさらな匂いが


悲しみと後悔の匂いで濁った。


A「ご、めんなさい。さっき、名字、を知って、」



呼吸が浅くなって、言葉が途切れ途切れになっている。


何が、彼女をそうさせているのかは分からなかった。




そんなに悲しまないでくれ



大丈夫、大丈夫だから。



炭治郎「うん

大丈夫だぞ、A。」



思わず握った手


白くて細い指は、少し冷えていて



本当に、雪みたいだった。





呼吸は落ち着いたみたいだけど


今度は悲しみの匂いがした。


どんどん匂いが濃くなっていく。


炭治郎「ちょ、ちょっと待っててくれ!」



確か初めて会った時は着物を羽織っていた。

Aは極端な人見知りなのかもしれない。

急いで部屋にあった自分の羽織を被せると


安堵の匂いが、ふわっと香った。


よかった

顔を見られるのが、苦手なのかもしれないな




上着のにおいを嗅ぐAを見て、急に恥ずかしくなった



A「…ありが、とう。」



心の臓が ぎゅっとなる





A「たんじろう、さん。」

炭治郎「うん、合ってるぞ!」



なんだろう、放っておけない

小さな子供みたいだからかな


A「い、きます。」



細い指が、強く握ると折れてしまいそうで

握る手が少し震える


Aが震えているのか自分が震えているのか、分からなかった





*

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まゆゆ(プロフ) - ヒロインちゃん可愛いっ!更新待ってます♪ (4月16日 22時) (レス) @page35 id: d6c6f36b97 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - とても素敵なお話です!続きが気になります!更新を楽しみにしてます⸜( •⌄• )⸝ (2月4日 11時) (レス) @page28 id: 311499c733 (このIDを非表示/違反報告)
はる - やば、めっちゃ最高…!!ゆっくりでいいので更新待ってます‼ (2月3日 22時) (レス) @page28 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
初心者です! - 面白すぎて地球滅ぼせますy(((すっごく面白いです!これからも無理せず更新頑張ってください! (1月2日 17時) (レス) @page27 id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
ちだまり(プロフ) - 更新されてる😭大好きです…!!これからもゆっくり頑張ってください😭💪 (12月31日 18時) (レス) id: 10c37c042f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:福笑い | 作成日時:2022年9月5日 16時

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