人間なのに、首を切られた

16.確かな言葉 ページ16

*

宇随side



確かに、人間離れしたような雰囲気を漂わせてはいるが


鬼でないことくらい、誰だってわかる。




「…ぁ、」



冨岡を見て、白い顔にわずかに恐怖の色がにじむ。



冨岡「待て。斬りに来たわけじゃない。」


胡蝶「冨岡さん？」


胡蝶の声が笑っていない。



てか冨岡は一回斬りに行ったのか？


相手も地味に怯えてっし…



「ぇ、で、でも、刀、」



ふと目があった。




そこで少女の言葉が止まった。


白桃のような目に自分が映っている。



宇随「…おい、どうかしたか？嬢ちゃん。」





「お…鬼、さん？ふたり、」




普通なら、は？って言っていた。


だが、ふざけている様子は全くなかった。




その声は、



あまりにも小さく、震えていて、




不死川が一歩前に出て、そいつと目線を合わせた。


不死川「…」



じっと見つめる不死川に怯えることもなく


不思議そうに見ている。



こうしてみると、不死川と色合いは一緒だ


顔つきのせいか、兄弟には全く見えねぇけど




不死川「俺は鬼じゃねぇよ、」



A「っ、」




さっきまで戸惑いと恐怖と、ほんの少しの期待が揺れていた瞳が



諦めと悲しみに沈んでいく





彼女の手は握りしめられ、肩には力が入っていた。



服から見える腕は、子供にしたって細すぎる。





あぁ…そういうことか。









不死川「お前も、鬼じゃねぇ。」




*

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