君を包み込みたい／✈️ (ページ32)

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楽しい時間は
あっという間に過ぎていく。

さっき会ったばかりかと思えば、
もう夕方…。

私たちは夜ごはんを食べに行くことにした。

碧海くんが連れてきてくれたのは、
雰囲気のいいおしゃれなレストラン。

「綺麗なお店だね」

私が感動していると、

『Aちゃんに喜んでもらいたくて
ここにしたんやけど、良かった』

「私のことびっくりさせたくて、どこに行くか教えてくれなかったの？」

そう聞くと、

『まあ、そうやな……』

歯切れの悪い答えが気になって
思わず聞いてしまった。

「本当は何？」

『行く場所を教えへんかったら、Aちゃんは気になってデートのこと考えてくれるんちゃうかなと思って…』

「え？どういうこと…？」

珍しく碧海くんの顔が赤い気がする。

『Aちゃんに、俺のこと考えて欲しくて…
デートの場所教えへんかったら、少しでも俺のこと
考えてくれるんやないかな…って…思ってんけど…』

そんな、

そんなのは、まるで、
私のこと好きみたいじゃん。

でも私は動揺して

「あ…そうなんだ……」

と微妙な返事をする事しかできなかった。