君を包み込みたい／✈️ (ページ4)

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ある日、
帰宅ラッシュが始まる夕方頃

『すみません…』
『おすすめのクレープってどれですか？』

「イチゴとバナナとチョコレートとホイップクリームが沢山入ったスペシャルクレープです！700円になります！」

ちょうどレシートが切れていたから、
作業をしながら、お客さんの顔を見る余裕もなく
定型文のように答えた。

『じゃあ、それ1つください』

「かしこまりました！」

お客さんに目を向ける。

思わず目を見開いた。

そこには、モデルみたいに綺麗な
スーツが良く似合う男性客。

キリッとした切れ長の目に高い鼻、
無駄のない、かっこいい顔。
こんな綺麗な人…いるんだ…。

思わず、見蕩れてしまった。

私が急に見つめるから、

『……えっと、スペシャルクレープを1つ』

困って、注文を繰り返していた。

「あ、申し訳ありません…
ただ今お渡ししますね！」

「どうぞ！スペシャルクレープになります！」

クレープを渡す時も緊張してしまった。
受け取る手まで綺麗で、感動した。

もしかしたら、これが一目惚れ
というやつなのかもしれない。