マタニティーブルー ﾘｸ ページ38
妊娠25週を迎えて服の上からもお腹がよく分かるようになったし、私もともくんも胎動を確認出来るようになり、ますます産まれてくる子供がリアルになってきていた。性別はまだタイミングのせいか、足を閉じているらしくて分からないとの事。今日も仕事の合間に検診を受けて皆で晩御飯を食べていた。
口に入れた唐揚げからは大葉のいい香りがして、胸焼けせずに食べられそうだ。私の体調や3人の子供の事を考えてチーちゃんが作った美味しいご飯。良く考えれば私はともくんと結婚してから何度彼にご飯を作っただろうか。いつもチーちゃんが全ての家事を請け負ってくれていて、私はたまにサラダを作ったり本当にただ味付けされたお肉を焼いたりするだけ。こんなので子供を産んでからちゃんと育てられるのだろうか？そう考えると急に子供を産むことが恐ろしく感じた。きゅうっと鼻の奥が痛み、目の端から涙が零れ落ちる。
ト｢っ！？どした！？｣
いち早く気付いたのはやっぱりともくんで私の肩を掴んで顔を覗き込む。私はただ口の中の美味しい唐揚げを咀嚼して口を噤んだ。
ト｢なぁ、まじでどうした？どっか痛い？なんか今日仕事で嫌なことあった？｣
首を振り唐揚げを飲み込むと更に涙は流れ出す一方。困らせるつもりなんてないのに急に起こった感情の爆発はなかなか止められない。気付けば私の隣にはともくんだけじゃなくてチーちゃんまで来てて、背中を優しく撫でてくれた。
ト｢どうした？教えて？｣
『っ、わたし...』
ト｢うん｣
『ご飯も作れないのに...赤ちゃん産んで良いのかなっ...』
ふぇ...と声が漏れて更に酷く泣き出した私を鬱陶しがることもなくともくんは優しく抱き寄せて頭を撫でてくれる。
ト｢大丈夫、俺も料理出来んから...だから一緒に練習しよ？｣
『でも...私チーちゃんみたいに完璧なママになれない...』
チ｢私完璧じゃないよ？｣
『チーちゃんは家事も育児も完璧だもん！私の気持ちなんか分かるわけない！！』
私の口からは心配する彼女を切り捨てるような酷い言葉が飛び出した。言ってから後悔してももう遅い。私の言葉はきっと彼女の身体に刺さったはずだ。
『ちが、う...こんな事言うの間違ってる...ごめんなさい...』
ともくんからゆっくり離れてチーちゃんを見つめると、何故なのかニコニコしながら私を見ていた。怒ってるかと思ったのにどういうこと？そう思う私の手を彼女は優しく掴んだ。
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ぴあ(プロフ) - 砂糖(トミー推し)さん» ありがとうございます！読み返していただけるような作品がかけたことを誇りに思います！ (2020年8月12日 7時) (
レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖(トミー推し) - 完結おめでとうございます！長らく更新お疲れ様でした！！これからも、読み返してぴあさんのお話に触れ続けていきます！ (2020年8月11日 18時) (レス) id: b5372a6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 沢山の素敵なリクエストありがとうございました！楽しんでいただけて何よりです！ (2020年8月6日 0時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - 海月さん» また他の作品でもよろしくね (2020年8月6日 0時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！とても楽しく読ませていただきました！！！！！執筆お疲れ様でした！！！ (2020年8月4日 0時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴあ
| 作成日時：2020年3月24日 9時
