面倒くさがりの俺と天然気質の彼女 4

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朝早くから家を出て10時前には美術館前に到着。カンタはしっかり俺の名前で登録してくれてたようで身分証明もすんなりクリア。たくさんのお客さんが居るものの、半数は外国人だから気を使わなくて済みそう。


『自分達がYouTuberだって忘れそうだね笑』

ト｢撮影禁止だから俺らただの一般人だわ｣

『カンチーナイスセンス〜』

ト｢ほんとだよ。お土産買ってやんないと笑｣

『私ねぇ、ジブリだったら猫の恩返しが好き！』

ト｢あーぽいな笑｣

『猫が可愛いの！』

ト｢今度借りて一緒に見ようぜ｣

『やった！』


時間が来て共に中に入る。無意識なのか俺の手をきつく握り、たまにぎゅ、ぎゅ、と力が入る。ワクワクが抑えられないような行動に愛おしさが溢れかえりそうだ。俺とは違って真っ直ぐ感情表現するAが眩しい。


ト｢ゆっくり見て回るか〜｣

『見て！トトロ！』

ト｢行くってば笑｣


半ば引っ張られるように館内を回っていく。一つ一つに感嘆し、珍しく真面目な感想を述べる知らないAの一面。こんな姿が見れるならもっと早くくるべきだった。


『...ねぇ？ちゃんと見てる？』

ト｢ちゃんとふぅの事見てるよ笑｣

『ねー！私じゃん！もぉ！』


外だから名前は呼べないけどぷいっとそっぽを向いた彼女の耳は赤い。照れ隠し下手すぎだろ。可愛いな。


『次はちゃんと展示物見てください』

ト｢善処します。｣


一緒に館内を見て周り、ショートムービーで集中したあとは腹ごしらえ...のはずが


ト｢カフェめっちゃ混んでて1時間くらい待たなきゃダメって...どうする？｣

『あー、ともくん並ぶの苦手だよね？』

ト｢違う違う、ここで食べたいなら一緒に待つから、俺の事気にすんな。ここで食べたい？｣

『...並んでもいい？』

ト｢いいよ、並ぼう。｣


きっと他の奴らに言えばかなり驚かれるだろう。俺が1時間も乗り気で並ぶなんて。俺にとって今日大事なのはAを楽しませることだから1時間の待機なんて苦でもない。


『私もカンチーみたいに賢いゲームしたいな...』

ト｢人に言うほどでもない嫌な事山手線ゲーム？笑｣

『せっかくのデートなのにアイラインが上手くいかなかった』

ト｢ちゃんと可愛いぞ？｣

『ここがちょっとズレちゃって、アイシャドウで誤魔化したの。』

ト｢修正技術すげぇ笑｣

『えへへ、頑張りました！』


1時間を余裕で乗り越えご飯を食べた。カンチーにはいいスウェット買ってってやろうかな。今日は幸せなデートでした。

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