面倒くさがりの俺と天然気質の彼女 3

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なんとかかんとか俺の可愛い小悪魔を剥がして、空き缶を片付ける。そして半分寝かけてる彼女を半ば抱き上げる様に部屋まで連れて行った。リビングのすぐ隣で良かった...


『ともくんはねぇ、いつもいい匂いだからあんまり女の子に近寄って欲しくないの。だってね、私がメロメロになるのと同じようにメロメロになっちゃうから』

ト｢そんなこと思ってたの？めっちゃ可愛いな。｣

『チーちゃんは許す。ともくんがそんな目で見てないの分かってるからぎゅうしても妬かない...けど、その後はちゃんとAにもぎゅうしてね？』


この可愛い小悪魔はほんとに俺の彼女？嗚呼、苦しい...好きすぎて胸が苦しい...この子が俺の彼女で居てくれることをしっかり銘記しておかないとふと忘れて嫉妬に狂いそうになる。俺の好きな人に触るな。コラボ動画を見て何度考えたかわからない。今分かることは目の前にいるこのベロベロな小悪魔に俺はぞっこんだってこと。

ぎゅうっと抱き締めると、同じようにぎゅっと抱き返される。そのお互いの行為が頭の中で色々考えるより腑に落ちる。

俺はこの人が好きで、幸運にもこの人だって俺が好き。カンタのことからかって悪かったなぁ...俺はお前の何倍もぽんこつだったよ。


ト｢A...俺から離れないで...｣

『ん、ずっと一緒だもん』


ただの口約束。そう言われればおしまいだろうけど、俺にはこの言葉で十分だった。とさりとベッドに倒れ込み見つめ合う。瞬きする度いなくなるんじゃないかってって不安になる必要は無いのかもしれない。


『ともくん？』

ト｢ん？｣

『なんか難しいこと考えてる顔...私の事考えて？』

ト｢Aの事しか考えてないよ、どうすればAと一緒に居られるか考えてた。｣

『そんなのただ隣にいればいいのになんでそんなこと考えるの？』

ト｢ふっ、確かに...｣


彼女は真っ直ぐだ。弱くて、小さくて、やかましい。だけど真っ直ぐ歪みなく生きてる。

分かった。こういう所がカンタに似てるんだ。だから俺は好きなんだ。コメント欄で見つけた″ふぅちゃんカンタ系女子″という言葉。おい、一緒にすんなよ？って思ったけど今なら分かる。確かにカンタ系女子だ。俺よりも視聴者さんの方が分かってるなんて嬉しくて悔しい話。


ト｢なぁ、俺自信もったらさ...｣


ふと隣を見ると俺の服を握り締めてすやすや寝てるA。


ト｢うわぁ...まさかのお預け...｣


言えなかった言葉だけがモヤッと残った



＿いつかその左手に

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