1話 ページ3
·
《女子中学生が、学校の帰り、ヴィランに襲われ行方が分からなくなっています。ヒーローは》ブチッ
憂鬱な学校の朝、テレビを見ていたら、そんなニュースが速報されていた。
気分が悪くなり、電源を切る。
悪いが同情はしない。
自分の身を自分で守れないのが悪い。
ヴィランが悪くないという訳ではないが、人がたくさんいる場所を通れば、そうはならなかったのではないか。
そう考えてしまう。
家を出る時間になり、誰もいないしんみりとした家を出る。
＿親はいない。私の父は、政治家でまぁまぁ稼いでいたけれど、ある日、身勝手で市民の声を聞かない政治を始め、市民達に叩かれ精神がズタボロになり、交通事故にあった。
母は、父の後を追った。
親戚やヒーローたちは、私に同情の目を向けた。
だが、助けようとはしなかった。
別に悲しくはなかった。薄々勘づいてはいたから。
子供なんて、一人でも育てるのは大変。自ら引き取ろうとする人なんていないだろう。
しかも、私の父は身勝手な政治をしたのだ。そんな娘を、引き取りたいなんて思うはずがない。
私が、
『私、自分一人でも平気です』
そう言ったときの親戚達の顔は、一生忘れない。
何処かホッとしたような、安心したような、そんな顔だった。
まぁ、ヒーローもヒーローだ。
それを聞き、すんなりそれを認めた。
その時、ヒーローが偽善者なんだということを知った。
·
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はっぴーせっと。というなのポテト | 作成日時：2022年12月17日 21時
