11 ページ12
家への道がわからないため、一度例の路地裏まで連れていってもらい、改めて帰路についた。
歩いて約3０分。ようやく家が見えてきた。
家への一直線の道を、夕日が明るく照らす。
『………』
…………美しい夕焼けを見て、胸が苦しくなる。
あの日、両親が死んだと連絡が来たあの時も、こんな風に空は綺麗だった。
『寒いし上がってください。大した持て成しはできませんが…』
クロノ「へい、お邪魔しますよ」
家につき、リビングのソファーに座るよう彼に促す。その間に準備を進めることにした。
えーっと、最低限の下着に服…ゲーム機とマンガと……あとは通帳だな。
これだけか。結構少ないんだな。
うん、やればできるじゃないか私。スクバに入りきったぞ。
『終わりました』
クロノ「随分早いですねぇ。５分くらいしかたってませんが…」
『？でも、終わりました…』
クロノ「女ならこういうのもっと時間かかりそうなのにってことですよ。色々あるじゃないですか」
『化粧品とか？ありませんよそんなの。だって面倒じゃないですか』
クロノ「…アンタそんな感じしますしね」
なんかムカつくな。しかし否定はできない。
………あ、そうだ。
『すみません、忘れ物しました』
一言言い、クロノさんを背に再び自室に戻る。
といっても、リビングの隣なのだけれど。
クロノ「っっ！」
後ろで、クロノさんが息を呑む気配がした。
ああ、見ちゃったか………
私は壁に貼り付けてあった夕日の写真を剥がし、リビングに戻る。
クロノ「アンタ…その部屋…」
『見ちゃいましたか』
苦笑する。引かれたかな。
まぁ別にいいけど。
私が背中を向ける部屋に、壁一面に張り巡らされた一人の男の写真。
それは私の両親と幼なじみを殺したヒーローの写真。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 307人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ANA - 推しが!!!尊い!!////更新楽しみにしてます！頑張ってください！Ｏ(≧∇≦)Ｏ (2019年8月20日 17時) (
レス) id: ed74a5df95 (このIDを非表示/違反報告)
零 - とても素敵ですね！！クロノさんと治崎さんの優しさが目にしみます。ゼロさんのお話、とても面白いので、お忙しいとは思いますが、良かったら、更新お願いします。続きを読める事を楽しみにして待ってます。 (2019年4月29日 9時) (レス) id: 2fa8d71e18 (このIDを非表示/違反報告)
ねじる - ゼロさん» 今更ですが、私もクロノ好きですよ！あ、トウヤ君も！同率１位で好き、、、 (2018年11月18日 20時) (レス) id: b17a466711 (このIDを非表示/違反報告)
泡沫 - おおおおお推しが！推しがああああああああああああああ！！！なんて面白い小説なんだ…更新頑張ってください！ (2018年10月10日 7時) (レス) id: c7686fef14 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - オーバーホールが大好きで！！！！ほんとうにありがとうございますorz！！！ (2018年9月29日 18時) (レス) id: b2c40a5e33 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゼロ | 作成日時：2018年4月10日 21時
