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何故あの時クロノさんは、私にあんな優しい言葉をかけたのだろう。
クロノさんとすっかり日が落ちて暗い道を歩きながら考える。
『そういえばあそこってWi-Fiありますか?』
クロノ「勿論でさぁ。好きに使ってくれて構わないですよ」
『高校はこのまま通っていいんですかね』
クロノ「さぁ、それはオーバーホールに聞いてくだせぇ」
そんな淡々とした会話を交わしながら。
___借りを返す以外に、私たちには何の接点もないというのに。
"これからは辛いことがあったら、私に言うんですよ"
本心かどうかも分からない言葉にすがるほど落ちぶれてはいない。
だが妙な違和感を感じた。
何か、思わずポロリと口から零れ落ちてしまった本心のような………
(変な人だ…)
気がつけば、私たちは死穢八齊會の屋敷の前に立っていた。
オバホ「帰ったか」
中に入り、たまたま廊下を通りかかったオーバーホールさんは変わらずイケメンだった。
ごめん関係ないね。
オバホ「A、ついてこい。会わせたい奴がいる」
会わせたい奴?
誰だろう。また組の男だろうか。
再び例の地下へ訪れ、複雑な道を歩き、やがて1つの部屋の前でオーバーホールさんは立ち止まる。
ガチャリと扉を開ける。中は真っ暗だったが、部屋の奥にベッドが1つだけあるのが見えた。
『?
誰かいるんですか?』
オバホ「布団の中だ」
私はゆっくりとベッドに近づき、よく見ればもっこりと膨らんでいる掛け布団をそっと剥がした。
____そこにいたのは、綺麗な白い髪の毛に、大きなまん丸の目をした女の子。
髪と同じように、肌は驚くほど白く、額には角のようなものが生えている。
『……君、名前は?』
枕をぎゅっと握りしめ、小刻みに震える様子を見るに、どうやら私のことを警戒しているようだ。というよりも、純粋に怯えている。
「……っ…」
何も言わないまま、目にじわりと涙を浮かべているその子を見て、私はいつの間にか側に来ていたオーバーホールさんを見つめた。
『…子供にここまで怯えられると流石に傷つきます』
クロノ「オーバーホール、そういえばAの高校は………って、アンタもいたんですか」
お前このタイミングで来るか……
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ANA - 推しが!!!尊い!!////更新楽しみにしてます!頑張ってください!O(≧∇≦)O (2019年8月20日 17時) (レス) id: ed74a5df95 (このIDを非表示/違反報告)
零 - とても素敵ですね!!クロノさんと治崎さんの優しさが目にしみます。ゼロさんのお話、とても面白いので、お忙しいとは思いますが、良かったら、更新お願いします。続きを読める事を楽しみにして待ってます。 (2019年4月29日 9時) (レス) id: 2fa8d71e18 (このIDを非表示/違反報告)
ねじる - ゼロさん» 今更ですが、私もクロノ好きですよ!あ、トウヤ君も!同率1位で好き、、、 (2018年11月18日 20時) (レス) id: b17a466711 (このIDを非表示/違反報告)
泡沫 - おおおおお推しが!推しがああああああああああああああ!!!なんて面白い小説なんだ…更新頑張ってください! (2018年10月10日 7時) (レス) id: c7686fef14 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - オーバーホールが大好きで!!!!ほんとうにありがとうございますorz!!! (2018年9月29日 18時) (レス) id: b2c40a5e33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゼロ | 作成日時:2018年4月10日 21時