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〔注意〕誹謗中傷などの表現があります。
意外にも辻くんはすぐ来た。
そして滅多に使われていないスタジオに入っていって、
1人音楽を流し、ダンス練を始めた。
(本当に練習しに来ただけか…？)
それなら僕も合流して、帰りにご飯でも食べて…と
そんなプランを立てていたら、
｢おい、音止めろよ｣
スタジオに人が入っていき、辻くんを蹴り飛ばした。
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数か月前、たまたまJr.の練習場に顔を出したら、
Jr.の子達が殴られている現場を目撃した。
その人は、僕もお世話になっていた振付師の人で、
凄くいい人だったのに、豹変したかのように
まだ高校にも行っていないような若い子達を殴っていた。
｢何してんすか！こどもに手をあげて恥ずかしくないんですか！｣
｢てめぇ誰に対してそんな口きいてんだ！ア!?｣
そういうとその人はJr.をかばうように立つ僕のみぞおちを狙って
思いっきり殴りかかってきた。
それを両手で受け止めるとそのまま足で横腹を蹴られて、吹っ飛んだ。
｢Aくん！｣
｢僕は大丈夫…早く逃げて！｣
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それからある一定のスパンで呼び出されるようになった僕は
そのたびに普段見えないところを狙って良く殴られた。
何よりも質が悪いのは、先生がダンス業界やスタッフの中では
名の知れた人で、誰もこの件に関して取り合ってくれなかったことだ。
それに、告げ口をすればするほどヒートアップしていく。
これ以上、被害を増やすわけにはいかなかった。
｢俺は餓鬼に教えたくてこの業界に入ったわけじゃねえのに、
なんで俺はここにいるんだよ!!｣
本当に誰でもよかったのだろう。
愚痴を言いながら殴るその人は、おそらく何も見えていない。
見ようともしていないんだと、気が付いた。
顔を隠して活動しててよかった。
感情を見られずに済むから。
いつしか僕は、常に"仮面"をつけて生きるようになっていった。
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作者名：ライズ | 作成日時：2019年8月7日 15時
