-since1999- ページ2
.
｢A、暑くない？大丈夫？｣
｢うん、大丈夫だよ。視界が狭いけど。｣
いつもみたいに、智に遊びに誘われたから着いてったら
飛行機に乗って、寝て起きたらハワイにいた。
現地で社長と合流したと思ったら、紺のアロハシャツと
口上から顔を覆う狐のお面を渡されて、
｢YOUはそれをつけるんだよ、いいよっていうまでは取っちゃだめだよ｣
っていわれて今に至る。
智も｢わけわかんねえ｣って顔してるし、きっと初めて聞かされたんだろう。
この、デビュー会見について。
.
｢こっち、目線くださーい！！｣
気が付けば、クルーザーに乗って、報道陣を前にして
デビュー会見が行われていた。
全然わからない。何が起きているのか。
なぜ自分がここに立っているのか。
それじゃ、お一人ずつ自己紹介をお願いします！
その声が聞こえて、僕はふと考える。
(これ、僕本名で自己紹介してもいいのかなぁ…)
顔を隠す、という事は、何かを隠したいわけで。
それは何なのか、をぐるぐると巡らせる。
｢じゃあ、最後は…お面の子！お願いします！｣
｢あ、はい…えっと、｣
一気にカメラが僕の方を向く。
その瞬間、緊張して、何を言えばいいか忘れて。
だって、こんな瞬間初めてだし。
今まで、テレビとか、カメラとか向けられたことないし。
｢あの、僕は…、その、｣
｢辻です、辻A。コイツまだ13歳で！すげぇ緊張してるらしくて(笑)｣
｢し、翔くん…｣
適当に合わせとけ
翔くんは、耳元でちいさく呟いた。
｢つ、辻…Aです。13歳で、好きなことは…、ダンスとご飯を食べる事！｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ライズ | 作成日時：2019年8月7日 15時
