マカロナージュなホワイトデー【T.M】 (ページ42)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:33,692 hit

＊４０ページ42

・

岬は手越さんのところに走っていき、私も追いかける。

手「来てくれてありがとな！」

岬「ううん、お疲れさま！！」

歩きながら会話する二人。

これ……私入れない笑

手「ここだよ！Aちゃんも、入って～」

『お、お邪魔します……』

中に入るとそこには加藤さんと小山さんが座っていた。

『え？』

手「あ、まっすーね。もうすぐ来ると思う。」

『わかりました！』

どこ行ってるんだろう……

『三人とも、お疲れさまでした！！』

加「椎名さんも、名波さんもお疲れさまです。ありがとうございました！！」

『いえ、こちらこそ！！』

座りながら談笑していると、ドアが勢い良く開いた。

貴「A！」

『貴久！どこ行ってたの……?』

手「じゃあ俺ら挨拶に外回ってくるね～」

岬「じゃあね！A！」

『え？岬も……???』

貴「A、これ……」

『え？？？』

貴「ライブのTシャツとパーカーなんだけど、俺がデザインしたからもらってほしくて……」

『え、私に？』

貴「うん、これ、A用に他のとはちょっとデザイン変えてあるんだ。
その俺のデザインが複雑すぎてさっきまで作ってて、遅くなってごめん」

『ほんとに？嬉しい、ありがとう！！』

貴「今日、A、誕生日でしょ？？
おめでとう！！」

『え……』

覚えててくれたんだ…

誕生日なんて別れてからずっと意識してなかった。

貴「着てみてよ、それ。
俺１回部屋出るから。」

『わかった！』

そう言い貴久が出ていった後、Tシャツに着替え、パーカーを羽織った。

袖のところにリボンがついていたり、袖にパッチワークがあったり、
もはや服屋さんで売れるレベルじゃないかって思うほど完成度が高い。

これ、わざわざ私のためにデザインして、作ってくれたんだ……

『ん？』

眺めていると、左袖に刺繍で文字があるのが見えた。

〈来年も再来年もまた次の年のホワイトデーも、マカロンが渡せますように。

貴久〉

『っ……』

貴「A～？入るよ～？」

『ちょ、まだ良いって言ってな』

貴「似合ってんじゃん。
てかなんで泣いてるんだよ笑」

『だって……これ……!』

貴「あ、気付いた？？

A、ずっと俺の隣にいて下さい」

『っっ、もちろん！！！』

そう言い、貴久の胸に飛び込んだ。

貴「うぉっ、あぶね」

そう言いながら、頭を優しく撫でてくれる。

『貴久、大好き！！』

貴「ん、俺も。」

今年の誕生日は一番特別な日。