希望___Espoir

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【喜んでもらえてよかった こーさくにしてあげられること これくらいしかないから】
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藍沢side
それから更に4年、5年と経ち発症から10年になった
とある日、橘先生も三井先生もそれぞれ事情があり藤川と冴島が夫婦で朝からうちに来てくれていた
藤「2人とも体調よさそうだな、よかった」
橘「じゃあ、よろしくな。夜には帰ってくる」

昼時...
冴「ご飯出来たよ、食べよっか」
藤川に手にフォークを持たせてもらった、が...
ｶﾗｰﾝ
藤「ん、大丈夫か？どこか怪我してない？」
『怪我はしてない、大丈夫。すまんな』
もう1度、フォークを手に握らせてもらい、今度はさっきより力を入れた、つもりだった
ｶﾗﾝｶﾗｰﾝ
藤「...食べさせようか？」
『...ああ、頼む...』
______また1つ、できることが減った
病気を発症してから10年、立つことや歩くことはとっくの前に諦めた
だが、もうかなり少ない自分でなんとかできることが、また1つ減ったのは本当に情けなくて、悔しかった
自分のことが何も出来なくなる日はいつか必ず来ることはわかっている
藤「藍沢？体調悪い？」
『...大丈夫だ、すまん』
【こーさく なんか 上の空だよ】
『ちょっと考えごとしてた、大丈夫』
【こーさくが 大丈夫大丈夫って言う時 だいたい大丈夫じゃない 後で 話聞くよ】
『ありがと...』
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藤川side
翌日、橘先生と三井先生が帰ってきた
『橘先生、ちょっといいですか』
橘「ああ」
『...実は、藍沢、昨日自分でご飯食べられなくなって。腕はまだ少し動くんですが、ものを握ることがかなり難しくなってるみたいで...食事以外にも、影響出てくると思うので、注意して見てやってください』
橘「そうか、わかった。急に頼んで悪かったな、ゆっくり休めよ。お疲れ様」
『いえ、いつでも呼んでください。2人の様子も見たいし。お疲れ様です』
はるかと家に帰って、明日の仕事に備えて早めに寝た
翌朝、車で出勤。
今日のヘリ担当は白石と新しく来たフェローの灰谷。
ﾌﾟﾙﾙﾙ
白「翔北救命センターです」
【救急車の受け入れお願いします。30代男性、転倒による高エネルギー外傷です】
白「受け入れます。運んでください」
運ばれてきた患者は意識がなく瞳孔も開き始めていた
『急いで脳外にコンサルして』

なんとか一命を取り留め、片付けをしながら...
西「藤川、最近藍沢どうだ？」

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