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びりびりと場の雰囲気が痺れる。色々な意味で過酷な試験をここまで残ってきた猛者達の放つ殺気じみたやる気は、哀れな一般従業員の肩を竦ませた。
けれども、流石は歴戦のハンター。ネテロはその重い空気をむしろ心地好さそうに受け止め、にやりと不敵な笑みを浮かべる。
「ほっほ、元気があってよろしい。さて……最終試験の内容を発表しようかの。
来たる最終試験、それは──宝探し！じゃ」
宝探し。トレジャーハント。言葉の響きは子供の遊びじみていても、ハンターという職を考えればまさしく相応しいものと言えるだろう。
はてさて何を探させられるのやら。更に気を張り詰める受験者一同の前で、ネテロは続けた。
その先にあった言葉は、受験生の眉をひそめさせるのに十分なものであった。
「戦いも暗号も、やろうとしなければない。
ワシからの指示はただ一つ、この船の中にある宝を見つけること。
ただし、宝が何かは言わぬ。形や大きさ、数も言わぬ。どこにあるかも、勿論言わぬ。
制限時間はこの飛行船が空港に着くまでの三時間！それまでに、己がこれぞ宝！と思うものを、ワシに見せるがよい。ワシは来賓室で待っておるぞ」
何とも面妖な話である。宝を探せと言うのに、それが何か言わない。目的の定まらぬ探し物ほど難航するものはない。
しかし、制限時間がある以上、素早く動かないに越したことはない。
天下に名高いハンター試験ならこれくらいの困難は乗り越えて然るべきだ。そう判断したハンター志望の若者達は、楽しそうに微笑むネテロの視線を受けながらわっと船内に駆け出した。
九人しかいないのだから例外というのは大げさであるが、しかしその場には三人の例外が残った。
言わずもがな、A、クロロ、シャルナークの三人である。
「……A、仕返ししたい人って……」
「シャルくん。シルくん。今まで協力してくれてありがと。でも、ここからはほんとに別行動だ」
何かを察したシャルナークがおずおずと話しかけると、Aは彼の方を見ないまま──ネテロのおっとりと垂れた目をぎらぎらと睨みつけたまま、獣のような笑みを見せてつっけんどんに言い放った。
これはどう言っても無駄だろう。シャルナークは直感し、お互い頑張ろうね、とだけ言い添えて、クロロと共に先立った受験生に続いた。
二人きりになった。双方、笑顔である。しかしその質は全く違う。
頂点に立つ者と挑戦者。それぞれ同時に背を向け、自分が向かう場所に歩き出した。
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ハナミズキ - キルアが出てこなかった。。。。。 (4月4日 21時) (
レス) @page24 id: 9174215e87 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - あけましておめでとうございます！ (1月10日 17時) (レス) @page24 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - 続きはもう無いのですね... (2023年4月19日 12時) (レス) @page24 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - 続きは書かないのでしょうか？ (2020年4月13日 2時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
無題 - そうだったんですか…。残念ですけど、今まで楽しく面白い作品をありがとうございました！！貴方の作品、大大大好きでした。くらげ様の新しい作品、とても楽しみにしています。本当にありがとうございました！！ (2019年5月11日 6時) (レス) id: 9aad1e7bf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらげ | 作成日時：2018年10月13日 20時
