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「念も覚えて、天空闘技場にいた頃よりずっと強くなったけど……ネテロさんには、全然敵う気がしない」
家族の他に、Aが確固たる敗北を味合わされた初めての人間、ネテロ。
念を覚えてもなお──否、念を覚えたからこそ、ネテロの尋常でない強さが分かる。
隙だらけのようで隙がない。好々爺然とした立ち居振る舞いの裏に、歴戦の戦士もかくやと言わんばかりの常軌を逸した力が隠れている。
それを見ても、Aは笑った。
まだ足りない。まだ届かない。まだ勝てない、殺せない。
それがどうしたというのだろう。
いくら成人男性ごとき歯牙にかけぬ強さを持っているとはいえ、Aは未だ十二だ。これからもっと成長できる。更なる進化に到達する余地がある。
「だからこそ、わたしが宝物。発展途上で磨き切ってない、完璧じゃないわたし。それに気づくきっかけをくれたこのボールも、この船の中では宝物。
……それじゃあ、だめ？」
疑問形ながら、彼女の微笑は自信に満ちあふれていた。
全く、幼さの残る容姿と言動に反して、とんだ末恐ろしさをありありと見せつけるものである。
ネテロは肩を竦め、机上のボールを掴み取った。懐かしさが胸を温かくする。試験中でなければ「よし、ではもう一度やろうじゃないか」と立ち上がっていたやも分からない。
「駄目なものか。素晴らしい答え、素晴らしい宝を見せてもらった。
文句なしの合格じゃ。……強くなったの」
空いた手を伸ばして、Aの頭を撫でてやる。
ネテロに──高みを目指そうとした発端である人物に忌憚のない賞賛を送られ、Aは年相応のはにかんだ笑顔を見せた。
二百七十四期ハンター試験、合格者第一号誕生の瞬間であった。
◎
「お疲れ、A」
人通りの少ない通路に、大きな窓がある。
出航してから一時間も経っていないから、地面は依然遠い。
街並みを見下ろすよりも空を見つめた方が景色も美しく首も傷めないので、Aはベンチに座ってぼんやりと千々に浮かぶ雲を眺めていた。
そこにお決まりのように、クロロとシャルナークが現れた。何の焦りも伺えないあたり、彼らも最終試験を合格したらしい。
「意外だな。キミが真っ先に気づくなんて」
「んー、シルくんのおかげでもあるよ」
「オレの？」
「うん。迷路の時、試験官さんの言葉の綾を見抜いたでしょ。思い込みって怖いなあって思ってて、だからこんなに早く気づけたの」
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ハナミズキ - キルアが出てこなかった。。。。。 (4月4日 21時) (
レス) @page24 id: 9174215e87 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - あけましておめでとうございます！ (1月10日 17時) (レス) @page24 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - 続きはもう無いのですね... (2023年4月19日 12時) (レス) @page24 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - 続きは書かないのでしょうか？ (2020年4月13日 2時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
無題 - そうだったんですか…。残念ですけど、今まで楽しく面白い作品をありがとうございました！！貴方の作品、大大大好きでした。くらげ様の新しい作品、とても楽しみにしています。本当にありがとうございました！！ (2019年5月11日 6時) (レス) id: 9aad1e7bf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらげ | 作成日時：2018年10月13日 20時
