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Aのオーラが安静状態で九十パーセント以上ある時に、自然にうさぎの外形ができあがる。
出現したうさぎに触れてオーラを送り込むと、うさぎの中にオーラを蓄積させることができる。A本人の潜在オーラ量の八十パーセントまでをうさぎに貯蓄させられる。
うさぎに貯めたオーラは、Aの意思で自由に引き出して使える。
シルバに必死でまくしたてた説明をまとめると、概ねこのような能力であった。
この能力の真髄は、うさぎに受け渡したオーラはAと切り離され独立したものとなることだ。
つまり、Aのオーラにうさぎに充填しておいたオーラを加えることにより、最大百八十パーセント分のオーラを使用することが可能になる。
これは極端な例だが、オーラ量の底上げ以外にも使い道はいくらでもある。
戦闘時に不足したオーラを補ったり、余分な生命エネルギーを回復に回して怪我の治りを早めたり、少し考えただけでも用途は多岐にわたる。
うさぎの形状を具現化するにあたって、
「常にAから二メートル以内の位置にいなくてはならない」
「うさぎを攻撃や防御に用いることはできない」
といった制約はあったが、この能力がもたらす効果を思えば微々たる制限だ。
いわばこれはオーラのタンク。命のスペア。
盾にも矛にもならない、延命と自己強化に特化した能力。
能力者同士の戦いにおいて、オーラの残量を気にかけなければならないことなど、シルバの口からは一言だって教えてはいない。
彼女は自力でこの結論にたどり着いたのだ。
生き延びるため。生きて家族を悲しませることなく、また、その身を賭して危機に立ち向かうために。
「お父さん、怒ってる……?勝手に作ったから……」
自身の生命の塊であるうさぎを胸に抱きかかえ、Aは恐る恐る上目遣いにシルバの顔色をうかがった。
その視線を遮るように、大きな手のひらでぐしゃぐしゃと彼女の金髪をかき回した。
ひゃあ、と楽しそうな悲鳴を上げて首をすくめるAに、シルバはこれまでになく穏やかな微笑みを見せた。
「怒ってなんかいないさ。Aが自分で考えて、自分で決めたことだ。それに、いい能力だと思うぞ。折角だ、名前でもつけたらどうだ?名前をつけると
「名前……じゃあ、“
ずっと昔、イルミがクッキー型にうさぎを選んだことを、Aは今も覚えていた。
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くらげ(プロフ) - リメさん» 初めまして、閲覧ありがとうございます。小説を書くのは初めてなので、そう言って頂けて嬉しいです。頑張ります! (2018年9月19日 21時) (レス) id: 0096635b43 (このIDを非表示/違反報告)
リメ(プロフ) - 初めまして!とっっても面白いです!!くらげさんの文の書き方がどストライクすぎてすいすい読んでしまいました( *˙˙*) 更新頑張って下さい! (2018年9月19日 21時) (レス) id: d23165a5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらげ | 作成日時:2018年9月2日 4時