【死柄木弔】Plus Ultra (ページ3)

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真っ暗な路地裏を歩いて1時間。やっと目的地に到着した。深夜とはいえここに来るまでに繁華街を通らなければいけなかったので思ったよりも時間がかかってしまった。オレンジ色の照明に照らされた薄暗いバー。ここが私が所属している敵連合の溜まり場。そして私の家でもある。

トガ「あっAちゃん！おかえりなさい！」

黒霧「おかえりなさい、A」

『あぁ、ただいま』

続いて聞こえてくる可愛らしい声。

トガ「わぁ！返り血いっぱいついたAちゃんやっぱりかぁいいですねぇ！今日は誰の血ですか！？」

なんともサイコパスなセリフだ。怖い怖い。

『あー…誰だったかな。もう忘れた』

綺麗な金髪を両サイドでお団子結びにしたこの可愛らしいJK。名前はトガヒミコ。巷を騒がせている連続失血死事件の容疑者として疑われているのだそう。
まぁ確かに、第一印象は破綻者だったけど。でも話してみると意外にもいい子で私にはとても可愛いらしい女の子に思えた。

黒霧「A、お風呂は沸かしてありますのでいつでも入ってもらって結構ですよ」

『ありがとうございます』

カウンターでグラスを磨いている男性は、この敵連合の要であるワープゲートという非常に珍しい個性を持った黒霧さん。とても優しい人です。

いつもは荼毘もいるんだけど……今日はどうしたんだろうな。まぁいいか。好都合だ。

このまま血の臭いを放ちながら突っ立っているのも申し訳ないので、すぐに風呂に入ることにする。

トガちゃんのキラキラとした視線を背中で感じながら、私はバーを後にした。