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『私が何の病気を患っているのかはさておき、
重要なのは、私としんぺい神さんが互いに面識があり、かつ私は彼に直接薬を処方して貰っているという、吐いたって捨てきれぬ恩があるということ。
そして彼の敬愛する総統閣下、グルッペン・フューラー殿が、私がたまたま顔を出した闇オークションにて商品として売られていたこと。
この二つ。
………ここまで言えば、どうして私が10億という大金を払ってまでして貴方を買い取ったのか、
そして、買い取った貴方を無償で国へと帰そうとするのか、理解できたでしょう？』
「…」
総統サマは真摯な眼差しを此方に向け、きゅっと唇の端を結んだ。
私はというと膝上で両の指先を絡め合わせ、その瞳を真正面から見つめ返す。
『………殺し屋なんて職業に就く私がこんなことを言っても、信憑性は薄いかもしれません。
いや、"どうか信じて欲しい"と懇願されても、恐らく大半の人は唸るでしょう。
ただ、私が貴方を助けたのは、
…策謀や見返りを求めたのではなく、
"完全なる善意"』
顔を上げて、今まで口も挟まず真剣に私の話を聞いてくれた彼に、焦点を合わせる。
『…これだけは、信じて頂けないでしょうか』
どれだけ私の誠意が伝わっただろう。
分からない。
それでも、
「……………よく分かった。
そして、」
…彼はソファの上で崩していた姿勢を正し、そして、此方に向かって、静かに頭を垂れた。
『！』
「礼を言う。
_____________A。
あの時お前が俺を競り落としてくれていなかったら、今頃俺は、どうなっていたか」
彼に初めて呼ばれた名前は、酷く温かみを帯びていて、それは私の胸に柔らかく落ちて、波紋を広げる。
私は思わず眉を下げて、彼に制止の声を上げた。
『…止めてください、どうか、顔を上げて』
「だが、」
『いいんです、元々無駄に金を消費する為に顔を出したオークションでした。
ふふ…私とてまさかこんなに大きく、また良い買い物が出来るだなんて、想像もしていなかったんですよ』
それに、とソファーから立ち上がり、私はテーブル越しに向かい合わせた総統サマの手を取って、私の手より随分と大きなそれを、優しく包んだ。
『……ぺ神さんとの面識があってもなくても、どちらにせよ、きっと私は貴方を助けていました。
貴方が作り上げた国はとても良い、私は我々国が好きです。
だからこそ、その元首たる貴方を、私は責任を持って、かの国へと送り返します』
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
