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_____「ちゃんと有限実行しとるけど、それ」
その言葉の意味を咀嚼し、真意を弾き出すには、少しの時間を要して。
…【軽薄極まりない告白】
結論が導き出されると同時に、私は酷く白けた気分になる。
だって冗談に決まっているから
「何もそんな目で見んくても」
サラリと私の髪を撫でる彼の瞳に
『だって…____!?』
私は…ほんの少しだけ危機感を覚えた。
そしてその"ほんの少しだけの危機感"に
僅かな猜疑心が垂れた瞬間_________
瞬く間に膨れ上がって、予感めいた恐怖心へと生まれ変わったそれは、大口を開け私の身体を覆う。
『ひｯ…』
________先程の考えを訂正しよう。
…【冗談じゃない】
ゾムさんの見下ろす恍惚とした表情は、
決して、尚決して、
冗談を言っている顔ではないのだ。
・
______『私を疑いたいお気持ちはよく分かりますが、貴方のそれは、ほぼ盲目的で独り善がりなものに思えます。
……非常に良くない。少し頭を冷やされては？』
険のある正論を飛ばした張本人は、その筋張った小さな掌で、俺のパーカーを力の限り掴み上げ、深紅の眼を爛々と光らせた。
今なお鮮明に蘇る数日前の情景に、俺はベッドに組み敷いた彼女を見下ろす。
軍幹部の俺に掴みかかる奴なんて、大の男にもおらんて。度胸ありすぎるんよ。
_______あの日の彼女は、オークションに売り飛ばされたグルさんを迎え助けるという、純粋な己の善行を俺の言葉によって貶められ、憤怒の炎を燃やしているようにも見えたが、しかし、
…その瞳には、確かに叡智と理性の光があって。
俺にとって、それが最も印象的なAとの出会いだった。
疑心故に飛ばした俺のナイフを軽々避けた女。
その淡々と此方を見据える瞳も。
冷静沈着な思考がそのまま冷徹さへと直結するのかと思いきや、案外穏和で、とっつきやすい性格だったことも。
どことなく庇護欲を誘う小さな外見も。
何故かそれ以降、彼女の全てが、ずっと俺の頭に居座っていて。
何故か、本能的に理解は出来ていた。
それでも、
…それでも、かつて女に惚れたことなどなかった俺にとって、それは脳髄が痺れる程の出来事で。
「どうしたらええんやろな」
「アイツが俺のもんになるには」
俺かて子供やないし、あの娘を手中に収める算段を漠然と考えられるくらいには、心の余裕があったけれど。
いやそれよりもっと重大な問題がある。
それは
「………アイツ、絶対歳14くらいやろ…」
下手に手を出したら自分が地下牢にぶちこまれかねない、ということだ。
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
