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私の言葉に翡翠の目を丸くしたゾムさんは、数秒後…ふっとその唇に笑みを刻ませて。
「あんな、最初にアンタのこと甘やかす言うたの、アンタの言う通りグルさんなんよ」
あぁ、やはり、だとしたら尚のこと申し訳が立たない。いくら恩人という立場だからって、ただでさえ忙がしい彼等にいらぬ気を遣わせてしまうなんて______
「でもな、"命令"じゃなかった」
『………え』
「内緒やで」
人差し指を唇にあてがって、彼はその先を綴る。
「俺らがちゃんと
"そうしたい"
っていう意思の元、アンタを大事にするつもりやから」
「アンタは、そんなんいちいち気にしなくてええ。
ぜーんぶ俺らに委ねてくれればええんよ。
…って思ってることアンタに知られたって分かれば、暫く部屋に籠って出てこなさそうな輩が二名程おるからな」
『だから"内緒"と…』
自然と頭に思い浮かぶ…トントンさんとロボロさんの顔。
駄目だ失礼過ぎる、と咳払いで二人の姿を頭から追い出す。
そしてゾムさんとの会話も、その言葉を最後に打ち切られた。
彼が食堂の扉を開き、そこで私達の談話____というか、ほぼ密談だろうか____は終了する。
「遅かったな」
ちょいちょいと手招きをされ、招かれるまま総統サマの元へ歩いて行けば、椅子に座る彼は私の腰を軽く引き寄せた。
「二人で何をしていた」
『ええと…』
とても言いにくい内容なのだが…
「そらもう、積もる話や。な？」
「いやいや、積もる程長い付き合いちゃうやん」
豪快に笑い茶化すコネシマさんに助けられる。
必死に首を縦に振りながら恐る恐る総統サマを見れば、彼はまだ怪しげに此方を見つめていたものの、これ以上の追及は無意味だと思ったのか渋々頷いた。
「…まぁいい、とにかく、全員揃ったことだし食事を始めるゾ」
席について黙々と食事をしていると、何かが頭の後ろを掠め飛んでいく気配があり、見れば壁には鋭利なナイフが突き刺さっていた。
この光景には見覚えがある。昨日の夕食時にこれと全く同じものを目撃したのだ。ロボロさん曰く「内ゲバ」らしいが、食事をする為のナイフやフォーク、皿まで投げ合うのは如何なものか。
「俺の肉横からかっさらいやがって！」
「隙見せるほうが悪いんじゃ！」
下らない。
様子を端から見守っているとふと総統サマと目が合う。どうやら先程から私の顔に視線を向けていたらしいが、どうしたのだろう。
総統サマがパンを頬張る私の頬に掌を添え…
ふっと笑いを溢す。
「ハムスターか何かか？」
『失礼な』
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
