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総統サマはソファーから立ち上がり、私の方を向いた。
「よし、諸々の話がまとまったところで、お前の部屋を決めなければいけないな。何か部屋の位置や家具に要望はあるか？」
私は頬に指を添え少し思考した後、口を開く。
『……そう、ですね、なるべく端の部屋がいいです。家具は最低限が揃っていればそれで構いません。要望といえばそれくらいです』
あまりにも質素な私の言葉に、総統サマは少し困ったように眉を下げた。
「他に何か無いのか？お前は一応客人という立場なんだ。贅沢でも何でも言ってくれて構わないが」
『いえ、ありません』
「はぇぇ…えらい無欲な人やなぁ」
"天"と筆の入った不思議な面をつけた小柄な男性が、私に向かって初めて声を放った。
夕暮れを写した様な着物を着た男性。その格好は些か軍人離れしていて、ショッピさんもそうだが、端から見れば到底軍人などには見えない。
軍内で、これ程までに服装の自由性があるのは私が知る限り我々国だけだ。
柔軟な思考…戦争時の戦略にそれが用いられているのは勿論知っているが、こんな日常生活にも汎用されているとは、と私は改めて驚かされる。
「ほんまにええの？」
首を傾げるその人に、私はやはり小さく手を振った。
『必要な物がそれ以外に思い付きませんので』
「ふぅん…そか」
「ふ…
会話が続きませんねぇ、ロボロさん、何でやろ」
ショッピさんが横槍を入れた次の瞬間、オレンジの彼…ロボロさん周辺の空気が凍り付いて見えて。
「あー、…
…トントンさんとおんなじ理由、ですかねぇ…？」
厭らしい笑みを浮かべる彼の台詞から察して然るべきだろう。どうやらロボロさんも異性関係に難のある人のようだ。
いやしかし、それにしたってそんなあからさまな挑発に乗る訳が…
「ショッピぃ！っんの、待たんかい許さへんぞお前！！」
『…』
どうやら見込み違いだったようだ。ここの幹部はどうも頭に血が上りやすいらしい。
着物の袖に隠れた小さな手をブンブンと振り回すその姿の何と小さいことよ。いや中々に可愛いじゃないか。彼のことは大分好きかもしれない。
「…まぁいいだろう、必要な物があれば遠慮せずに言ってくれ。トントン、メイド長にその旨伝えろ」
「ん」
「あー…せや、俺も自己紹介せな。情報管理官のロボロや。基本部屋に籠って機械いじってるけど、何か用事あればいつでも来てくれてええからな」
「童貞に何の用があるんやろ」
自己紹介にさえ追い討ちをかけられる夕凪の君。
もう本当にやめてあげて欲しい。
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
