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紺い瞳の彼からのその問いには、悪意も飾り気もなく、あんまりにも素朴なそれに、私はふっと笑みを溢さずにはいられなかった。
『信じられませんか？
貴方にっては普通に他ならない睡眠を、私は幾何の薬を飲んで、副作用に血反吐を吐き、耐えて、耐えて、
そしてようやく手に入れることができるんです』
私の言葉に、彼は少し不安げに大きな瞳を揺らす。
「でも、眠気が全くないって…
…ううん、やっぱ僕にはあんま理解できへんなぁ…
あっいや！だからって疑ってるとかやないんよ」
と、慌てて訂正するようにその人は言葉を付け足すが、私は苦笑を溢すほかない。
『今のニュアンスだと疑ってたでしょう。
確かに健常者には理解しにくい感覚だとは思いますが…
…自分の考えや感じることが正しいと、常識だと思っていることが、他人にとっても同じ意味を成すと、本気で思っているんですか？』
そう言えば、藍の彼は「う」と唸り俯き、
「ご、ごめんな…」
ふっと息をつき頬をかいた手首を、
総統サマが掴んだ。
『…？』
「で、どうなんだ」
私の手を包んだまま、テーブル越しにずいっと近付いてくる秀麗な顔。
思わず背筋を伸ばし無意識に彼から顔を離れさせたが、その赤い瞳は依然として私を捕らえたままだ。
「城に留まってくれるか」
………
『…正直
いえ、失礼を承知で言わせて頂きますが、恐らくこの国で一番腕の立つ医師であるぺ神さんでも完治には至らなかった病に、医師でもない貴方が手を付けたところで何が出来るのかという疑問はあります。
ただ、…治せる治せないかは別問題として、貴方の恩返しがしたいという誠実さは十分に伝わりましたので、まぁ…ここにいるだけでいいのなら…』
強く断るのも気が引ける。
「っ！
そうか！あぁ、歓迎するぞ！」
ぱぁっと輝くような笑顔で問い質してくるもんだから、思わず目を反らしてしまった。
この男、べらぼうに顔が良い。中々に直視が難しい。
『…あと私、軍の業務に関しての専門的な知識はありませんので、基本的に貴方達の役には立てませんが、それでも他の幹部様が許してくれるのなら…』
そこだけが心配で言葉を濁しながら振り向けば…
すぐそこに浮かんでいたのは、スカイブルーの瞳と満面の笑みだった。
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
