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ふと目を開けると、白い陽光がカーテンを透かして部屋を明るく照らしているのが目に入り、朝の気配を感じた。
随分長く眠った感覚があり、身体全体が心地好く痺れている。
その痺れに甘んじてもう少しだけ寝ていたかったが、私はゆっくりと上体を起こし、重い瞼を擦った。
……そうだ、昨日は城から出た後、すぐ中央街の宿の部屋を借りたんだった。
『くぁ…』
何となく昨日の事を思い出して、小さく欠伸をした、
その時だ。
ﾊﾞﾝ！！とすぐ側の窓が揺れと共に音を出して、私は思わず『ひっ！』と悲鳴を上げる。
…何だ、鳥でもぶつかったのだろうか。
慌てて後ろを振り向けば、
『_________え』
「窓開けてや」
翠の瞳が此方を見ている。可笑しいな、此処は三階の筈なのだが。
これは…
『また随分と大きな鳥がぶつかったもんだ…』
そこに張り付いていたのは________ゾムさん
鍵を開けて窓を開ければ、彼は音もなく部屋に入ってきた。
「おはよ。寝起きか？」
その通り。何ならまだ着替えてもいない。
『おはようございます…寝起きですけど、何してる
んですか…』
「アンタを迎えに来たんやで」
『…迎え？』
「グルさんが呼んどる」
淡々と会話を進める彼と私。どう考えてもこの状況は可笑しい…。
窓から入ってくる時点で。というか、
『何で宿知ってるんですか。部屋まで』
「そんぐらい調べるの訳ないわ。こちとら軍やぞ」
『軍の情報網を私益に使うとは…』
「命令やから私益ちゃうし。
……」
『…何ですか？』
「いや、えろい格好しとんなと思ってな？」
『はぁ…』
確かに今はインナー１枚だけれども。
しかしこの話しやすさは一体何なのだろう。昨日の私に対するゾムさんの疑いようが嘘みたいだ。
獣のような彼は何処へ？とも思ったが、私に関しては完全に警戒心を解いてくれた事の表明だと思うと…少し嬉しくも感じる。
「そんな格好してると襲われてまうで」
前言撤回。この人、0か100かの距離感しか抱けないタイプの人だ。
『別に…貴方は襲わないでしょう』
「は、何やねんそれ」
『あんまり女に興味なさそうだし…？イメージ的には』
「やめてや。そら好きな奴以外に欲は湧かんけど」
『下世話な』
「自分が好き言われてるの気付かんの？」
『昨日は滅茶苦茶な殺気向けてきた癖に』
…そうして、二人してくっと笑いを溢す。
彼がからかっているのは目に見えてる。
「昨日と今日とじゃ事情が違うわ。俺はもう、アンタのこと疑っとらんからな」
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
