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私は総統サマの身体をぐっと押し退け、ゾムさんの真正面に立った。
彼と対峙して初めて、その鋭い翡翠の瞳と視線が交錯する。
『ゾムさん…でしたっけ。
貴方からすれば"殺し屋"の女が善意で総統サマを城まで送り届けた、という言い分はどうしても納得がいかないのですね？』
「…そこらの糞野郎にグルさんを殺すように依頼でもされて、
"殺すために助けた"
…俺はそう思っとる。
それに、アンタが俺らに"悪いこと"要求してくる可能性だってまだ捨てきれんしな」
『…成る程』
私は１つ頷いて、ジャケットのポケットに手を突っ込んだ。それを見て、更に警戒心を高めるゾムさん。
武器が出てくればすぐさまナイフを飛ばすに違いない。
私が取り出した物、それは、
…綺麗に折り畳んだ、一枚の紙だった。
それを広げて文章が書いてある方の面を、彼に見せ付ける。
「A、それ何」
ぺ神さんの疑問に、私は答える。
『私と総統サマの主従関係を証明した書類です』
それは彼を落札したあの晩、オークショニアから渡された物。
直筆のサインと印が記された書類を見た瞬間、ゾムさんの瞳にいよいよ敵愾心が宿った。
だから私は、
彼の目の前で、
「！！」
____________書類を破り捨ててやった
木葉の様に風に踊る紙片を見て、流石に幹部達、総統サマでも驚きを隠せない様子だ。
そんな彼等に、私は清々しい笑顔を向ける。
『これで総統サマを縛るものはもう何もない。
そして私が、ゾムさんの言う通り何か"悪いこと"を貴方達に要求したとしても、貴方達がそれに応える必要は無くなった。
私は貴方達を脅す手材料を、今完全に失ったのだから』
言葉を続けつつ、私は思い切って、ゾムさんの元へと一歩足を踏み出した。
後ろではっと息を呑むような気配が上がったが…
『…そもそもですね。
ゾムさん、貴方の言う通り、私が最初から"殺すつもりで"総統サマを助けたっていうんなら、
何故当の私は、総統サマを"殺さずに"貴方達の元へ帰したんです？
自分の言い分と事実とに矛盾が生じていることに、貴方も気付いているでしょう』
気にせず彼との距離を詰める。
流石に動揺を見せるゾムさんのパーカーの首元を強く掴み、
「！」
ぐいっと、思い切り引き寄せた。
『私を疑いたいお気持ちはよく分かりますが、貴方のそれは、盲目的で独り善がりなものに思えます。
……非常に良くない。少し頭を冷やされては如何ですか』
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
