11memories【OriginalStory】

memory8 ページ9

そしてあれから一週間たった

「…なら明日から六日間の強化合宿を行う!!」

蒼季はハンドボール部部員に告げる

(合宿か……楽しみだな…!!」

植田はわくわくしているのか、小さく微笑んでいる

そんな植田を心配そうに翼は見ていた

「荷物や時間などは翼に伝えてLINEで送らす!!詳しいことは翼に聞いてくれ!!なら解散っ!!」

優人が言うと部員たちは帰る準備をするために部室に戻っていく

植田も戻ろうとするが…

「待ってっ!!」

と翼に呼び止められた

「なに？翼？」

「あ、あのさ…大丈夫だよね？」

「なにが？」

「体調……」

植田は驚いた、いつも体調なんて心配されてなかったと思っていたからだ

「大丈夫…じゃないかも…」

植田は翼に答える、翼はそんな…と悲しげな表情をしている

「俺さ…もっといっぱい出掛けたいし、もっとハンドをしたい」

植田は世界大会が終わると体調の関係でハンドボール部をやめることになっている

それはハンドボール部部員全員わかっていることだ、翼もそれはしょうがないと理解している

「でもさ我慢しないといけないでしょ？外で元気で遊ぶことも、皆と一緒に好きなことをすることも」

「植田……」

「なんで俺だけ我慢しねぇといけないんだよ…もう嫌なんだよ……だからさ…」

植田はきずいたら泣いていた、植田の目から落ちる涙は一粒一粒悲しい気持ちが出てくる

「うえ…」

「離れないで…頼むから一人にしないで…俺のもとなら離れないで…」

翼は植田の言葉に驚く、植田は手で目を隠しながら泣いている

体育館にはただ泣き続ける少年の声が響いていた

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