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11□年の差なんて関係ないよね ページ9

笑顔を周りに振りまいて、時には大舞台でも吠える強いメンタルを持つ。
そんな彼を視界に捉え続けてしまうのは、私だけではないと思う。

ほら、観客も、相手チームも、彼の凄さに圧巻されてる。


ー西田!西田!


彼の左手から繰り出されるサーブは、いとも簡単に相手の腕を弾いてしまう。









「Aさん、どうでした?今日の俺」

「うん。凄かったよ」

「頑張りましたよ、俺」









そう言って笑う彼は私には勿体無いぐらい眩しい。

アナリストとしてまだ新人な私は、
去年から全日本男子バレーのアナリストの補佐として動くことになった。

去年高校卒業と同時に全日本に招集された彼はメキメキと頭角を現して
全日本絶対的エースの石川くんはもちろん、キャプテンである柳田くん
そんな中でも彼の活躍には目を見張るものがある。

そんな彼に、告白をされたのはワールドカップの直前だった。








「俺、Aさんのこと好きです」

「え?私、石川くんと同級生なんだよ?」

「そんなの関係ないです。好きなものは好きなんです」







なんて、5つも歳が違うのに彼は真っ直ぐな瞳で私を見つめた。
最初は断った。でも、彼はめげずに私に言葉を伝えてきた。

そんな彼にどんどん惹かれてる自分がいて
立場を弁えないといけない、そう思ったけど
一度溢れてしまった感情を抑えることはできなくて。
…そういうところは結局女なんだなぁって。

お前、西田と付き合ってるんだって?
そう監督やコーチに言われた時は正直焦ったけど
今すぐ辞めろ、とか言われるのかと思ったから。
でも、すぐにみんな笑顔になって
最近西田の調子がいいのって、お前のおかげか、なんて言われた。

彼も、石川くんたちにはすぐ言ったらしくて
いまじゃある意味公認みたいになってる。
……ちょっと気恥ずかしいけど








「Aさん、さっきの試合なんですけど」

「あ、ちょっとごめんね」

「…はい」








石川くんと恒例のデータチェックが始まる
どこの点が一番取れなかったのか、逆に一番点が取れたのはどこなのか
明日の相手はここだから、どこの攻撃が一番多くて、どこが一番通りやすいのか。

逐一情報が流れてて共有されてる内容も
最初は全くわからなかったけど、いまではわかるようになった。
いまはまだ補佐だけど、いつかは一人前になりたい。
その時にも西田くんがいてくれたら…なんて。









11□年の差なんて関係ないよね2→←20□幸せを運ぶ風2



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noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時

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