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8□後ろめたい夜 ページ24

なぜここに来てしまうのか、
そんなことを思いながら、手は勝手にインターホンを押してて。

ガチャっと開いた扉の向こうには彼がいた。

お風呂上がりなのか、髪は少し濡れてて
首にはタオルがかかってる。





「俺に会いに来たの?」

「…うん」

「そう。おいで」





スタスタと室内に入っていく彼は、ソファに座り込む
その後をついて行って、テーブルの上に荷物を置いた

A、そう私の名を呼ぶ彼の横に座れば
伸びてくる手が私の腰を捉える。

そっと顔が近寄ってきて、私の唇をすぐに捉えた

甘いキスが降ってきて、そっと彼の舌で割られる唇に
身体がゾクゾクして同時に背徳感に襲われる。

だって、本当はここに来るべきではないのだから。





「まさ、っ」

「っ、」






今日も彼に抱かれる私がいる。
甘い声が勝手に出て、彼もまた顔を歪める。
キリッとしてるその瞳に見つめられると
身体の中心が熱くなって、また彼のそれを締め付けるのだ





「…いいの?こんなとこ来て」

「……だって、戻ってこないし」

「あいつは海外出張中なのに、俺と身体の関係だもんな」






そう言って口角を上げるまさに何も言えなくなる、ごもっともだ。
彼氏という存在がありながら、私はこの人を求めてここに来る

関係が始まったのは、彼が海外出張に行ってしまった日からだ

うちの会社で語り継がれてるもの…
海外出張行った人はしばらく帰ってこれない。
だから、そんな話が出てから別れ話も出たけど
どうしても彼と別れる気にはならなくて。

けど、いざその日になると急激に寂しくなって
同期であるまさと飲みに出掛けた。









「お前、飲み過ぎじゃない?」

「だってー…しばらく帰って来ないんだよ?」

「わかんないじゃん。語り継がれてるだけで、そのうち帰ってくるかもよ」






そう言って梅酒の入ってるグラスを傾ける彼
自分の空になったグラスをじっと見つめてれば
まさは気を使って店員さんにおかわりを頼んでくれた。






「これからは飲み相手になってよね」

「俺はあいつの代わりかよ」





そう言いながらも付き合ってくれる彼に感謝しながら
寂しさを紛らわすように飲み続けた。

でも、そこから記憶はなくて。
眩しい朝日と頭の痛み、気持ち悪さ、そして倦怠感
気づけば知らないベッドの中にいて、隣にはまさが眠ってた。
しかも裸で。






「え、嘘」








8□後ろめたい夜2→←14□人気者の君に妬く2



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noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時

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