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14□人気者の君に妬く ページ22

今日も黄色い声援がコートに響く。
女子の視線の先にはいつも通り彼がいて。





「祐希くんって彼女いるのかな?」

「えー、いたらショック」

「ねー!いないでほしいよね」

「あ、でも、すごい仲良い幼なじみいるんでしょ?」

「え、そうなの?」

「ほら、あの人」






また始まった、聞き慣れた会話に今日も大きくため息をつく
幼なじみってだけでなぜか私まで注目の的。

たまたま、幼なじみだった彼が整った顔で生まれて
偶然なのか必然なのか、小中高で一緒で同じスポーツをやってて
たったそれだけの話なのに、女子の視線が怖い。







「A、」







そんな彼は気にせず私に声をかける

ただの幼なじみとして。







「ちょっとテーピングしてほしいんだけど」

「武智くんに頼めばいいじゃない」

「巻くのうまいでしょ」

「そりゃどうも」







ベンチに座った彼が私の方に手を差し出す
仕方なく隣に座って彼の手に触れる。

…ああ、今日も視線がグサグサと突き刺さる気がして
変に心臓が脈を打っていく。

いつのまにか大きくなった身長も、手も、足も
小さい頃は私の方が背が高かったのに、あっという間に抜かされた
いまじゃ見上げるほど背の高い彼
ベンチに座っててもその身長には追いつけなくて。






「…あのさ、」

「何」

「なんか怒ってる?」

「別に」

「いや、怒ってるでしょ」

「気のせいじゃない?」







言葉がキツくなるのは、周りの女の子が見てるから

それだけじゃない

彼が遠くに行きそうで、それが嫌だった。

この間だって、全日本の人が祐希に会いに来て誘ってた。

彼はとてつもなくバレーが上手くて誰よりも輝いてるから
そんな風になるぐらい予想してた
それでもいざとなってしまうと、怖くて仕方がない。








「はい、終わった」







立ち上がって彼から離れようとする
でも、それを止めるのは紛れもなく彼で
祐希の手が私の腕を容易く掴む。






「何で怒ってんの?」

「だから、怒ってないって」

「嘘。全然笑わないし」





周りからの視線が痛くて堪らない
今すぐ離して欲しいのに、それを振り解けないのはきっと
祐希が好きだからで。








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noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時

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