【ヒロアカ】お前…地味男じゃなかったのかよ……（震） (ページ10)

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『緑谷、すご……え？』

俺は緑谷の指を見てフリーズしてしまった。

彼の人指し指は、目を反らしたくなるほど痛々しく腫れている。

え？え？緑谷、え？大丈夫なのそれは？

そんな単語がぐるぐると頭を回る。

「死齊くん、手上げたまま固まっとる」

右から麗日さんの声がした。そして左からは何故か爆発音。そしてものすごいスピードで緑谷を殺しにかかる例のアイツ。

「どういうことだ！訳を言えテメェ！！」

『ちょ、』

死んじゃう。それはさすがの緑谷もリアルに死んじゃう。

そんなことを思っているとありがたいことに相澤先生が止めにかかった。

「たく…何度も個性使わせるな。俺はドライアイなんだ」

カッと目を見開く先生を見て、恐らく皆同じことを考えたことだろう。

(個性すごいのに勿体ない！！)

・

「んじゃパパッと結果発表」

え～、死齊、死齊…………あ、あった。

２位か。

１位は八百万百さん………なんて読むの？やおよろず、ひゃく？

なわけないよな。

『あ、あのさ、八百万さん？って、下の名前なんていうの？』

「もも、ですわ！死齊さんですよね」

もも、か。

可愛い名前。

『うん』

「私、一度話してみたかったんです！実技入試で一位なんてすごいですわ！それに個性把握テストでもずば抜けて得点が高かったですし、是非、個性のこと教えてください！」

すごいウキウキしながら聞かれた。

『いや、八百万さんほどじゃないよ』

俺は笑みを浮かべながら手をヒラヒラと振る。

やべ、どうしよ。個性のこと何て説明しよう。

内心焦りまくっていたが、よく通る声が響き、俺はそちらに視線をやった。

「ちなみに除籍は嘘な。君らの個性を引き出す合理的虚偽」

相澤先生ーーーーっ

きゅっと下唇を噛み、俺はそう叫びたい衝動に耐えた。

「はぁ！？」

案の定ほとんどの人が「マジかよ」みたいな表情をしている。無論、俺も騙された内の一人だ。

「あんなの嘘に決まってるじゃない。ちょっと考えれば分かりますわ」

八百万さん、そのすごい個性の上に更に聡明さが重なるのか…。

俺、アンタに一生勝てる気がしないよ。

なんだかドッと疲れて、俺は緑谷の元へ行った。

『緑谷、指大丈夫……？』

「うん、大丈…

し、死齊くん！？なんかすごい死にそうな顔してるけど大丈夫！？」

『大丈夫…ちょっと疲れただけだから…』

「いやー騙されたなー死齊！」

『上鳴、肩に腕回すのやめてうざい』

「ひど！？」