【ヒロアカ】お前…地味男じゃなかったのかよ……（震） (ページ6)

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「個性把握テスト！？」

バカみたいに広いグラウンドに皆の声が響いた。

「入学式は？」「ガイダンスは？」などの声が飛び交う中、俺は相澤先生をぼーっと見ていた。

あぶねー薬飲んどいてよかったー飲んでなかったら色々詰んでたーあぶねー。

なんてことを思いながら。

ぶっちゃけ先生の話自体はそんなに頭に入っていない。

「実技入試の時のトップは爆豪と死齊だったな。中学の時、ソフトボール投げ何メートルだった？」

唐突に俺の名前が出てきて心臓が跳ねる。話を聞いていなかったから余計に驚いた。

しかし爆豪の方が先に「67メートル」と答えてくれたおかげで、冷静になる時間を得る。今度から先生の話はちゃんと聞こうと反省しながらも俺は口を開いた。

『63メートルです』

殺すと言わんばかりの凶悪な視線が俺の身体を射抜いた。お前は俺に何の恨みがあるんだ爆豪。

「じゃあ個性を使ってやってみろ。思い切りな」

先に爆豪がボールを渡され、所定の位置につき、何の迷いもなく振りかぶった。

「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！！！」

そんな元気100％の掛け声(白目)と共にボールがぶっ飛ぶ。ボールが彼の手から離れると同時に大きな爆発音が鼓膜を震わせ、炎と煙が鮮やかに俺の瞳に映った。

すご……ボールを爆風に乗せたのかな。なんにせよ攻撃力高そうな個性。

そんな感想を抱いていると、相澤先生はスマホとよく似た形の計測器の画面を俺たちに見せた。そこには「705.2」という記録が映されている。

「次、死齊。やってみろ」

目を閉じてふっと息を吐いた。ガチゴチに緊張しながらも、渡されたボールをぎゅっと握りしめ、全身にエネルギーが這うようなイメージを想像する。

次の瞬間、爆音、バチバチと火花が散るような音を立てながら俺の身体を纏うエネルギーの本流。

ピッ

画面には「822.3」という数字。

周りから「おおっ」という声が上がった。

「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

「何これ面白そう！」
「思いっ切り個性使えんだ。さすがヒーロー科！」

再びざわざわしだすA組をゆっくり見渡し、相澤先生は口を開いた。

「面白そう、か。ヒーローになるための３年間そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい？

…よし、八種目トータル最下位の者は見込みなしと判断し除籍処分としよう」

『！？』

その言葉に俺は背筋が冷えた。そうか、ここは、

「生徒の如何は俺たちの自由。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」

雄英、なんだ。