【ヒロアカ】お前…地味男じゃなかったのかよ……（震） (ページ2)

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俺の名前は死齊A。

今日から雄英生の…まぁ周りよりちょっと背が高い地味めな男子。

っていう設定。一応。

先月、俺は雄英の一般入試を受けて合格した。順位は、名前は忘れてしまったがもう一人との同着一位。

まぁ入試で一位とったくらいじゃ大して目立たないだろうと気を緩めていたのが失敗だった。個性を使って、ロボットみたいな輩を何体も思い切りブッ飛ばしてしまったのだ。

結果とても目立った。後悔している。

何故目立ちたくないのかというと、友達が「雄英行くんならソレ何とかしろ」と言ってきたからだ。

"ソレ"というのは主に２つあるのだが…まぁ追々わかるだろう。

しかし、何も学校で孤立したくてわざわざ髪を伸ばし、地味系男子を装っているわけではない。俺は別に悪目立ちをしたくないだけであって、何なら友達は普通に欲しいし、彼女だって…

…いや、彼女は別にいらないな。

少し脱線したが、とにかく学校生活は普通に送りたいし、いじめられたくもない。ただそれだけだ。

桜の花弁がふと俺の鼻先を掠めた。

前を見ると、とてもじゃないが高校とは思えないくらいの巨大な建造物が目前に迫っていた。

皆が緊張の表情で見上げる雄英の校門をくぐる。

……そっか、俺、雄英生なのか。

じわりと胸が温かくなり、すぅっと息を吸い込んで、俺は雄英の校舎を見上げた。

ドンッ

『あ、すみません。大丈夫？』

しまった。つい浮かれて前を見ていなかったせいで誰かとぶつかってしまった。

俺より遥か下にある茶色い頭と、バッと見上げる大きな瞳。

「ハッ！

ごめんなさい！ちゃんと前向いてなくて！

ヤ、ヤバい、先輩やったらどうしよ……！」

最後の方は多分独り言だろう。目がグルグルしているところを見るに、相当混乱しているらしい。

『いや、俺１年だから先輩ではないですよ。1ーAです』

そう言うと、ぶつかった子は勢いよく顔を上げた。

「えっほんとに！？

私も1ーAなんだ！

私、麗日お茶子。よろしく！」

これはもしかして友達を作るチャンスなんじゃないか？と頭が判断する。

『俺、死齊A。よろしく麗日さん』

「うん！」

麗日さんはニカッと笑ってサイドの髪の毛をいじった。

あ、駄目だこの子すごい可愛い。

明るそうだし、さぞかしモテるのだろう。

麗日さんが、これから始まる長いようで短い、そんな高校生活の友達１人目だった。