【ヒロアカ】お前…地味男じゃなかったのかよ……（震） (ページ25)

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"だってさぁ"

"こいつ何回__ても___じゃん"

キラリと光る刃物が___

・

『………！！』

体がビクリと跳ね、俺は目を開けた。冷たいコンクリートの感触と破壊音。

どうなって……俺、気絶してた？

意識がハッキリしてきたところで、俺はあることに気がついた。

脳ミソ野郎の拘束が、ない。

俺は顔を上げる。

『相澤…先生』

俺の目の前には、相澤先生の苦しそうな顔が。

握り潰された彼の片腕はダランと力なくぶら下がっている。

そして相澤先生をここまで傷つけたのは

『脳ミソ野郎…』

ベキベキと音がした。酷く聞き覚えのある音だった。

人間の骨が折れ、砕ける音だ。

「～～～っ！！」

相澤先生が声にならない悲鳴を上げる。

唐突に、彼の瞳の焦点が俺に定まった。

「死、齊……逃げ、ろ」

「かっこいいなぁ、こんな時にも生徒の心配か。なぁイレイザーヘッド」

____「対平和の象徴、改人、脳無」

死柄木さん………意外と容赦ないのな。

さて、俺はこれからどうしよう。

頃合いになったら逃げ出すつもりだったが、想像よりも死柄木さんがやらかしてしまっている。

折れた右腕を押さえながら、俺は素早く仰向けになり、腹筋と足の力を使い起き上がった。

「！」

死柄木さんがこちらを向く。俺は飛び上がった。

良かった。まだ"一時間"たってなかったようだ。

そのまま脳無…の相澤先生を掴んでいる腕に蹴りを入れる。

『…』

そして手応えが無さすぎた。

コイツのヒットポイントが100あるとしたら俺が与えたダメージは3くらいだろう。

結構なスピードで脳無が俺の足を掴み、そのまま向こうの壁まで吹っ飛ばされた。

『………って』

ガラガラと瓦礫が崩れる。頭から血が流れ、体の節々が痛い。

そして同時に"今だ"と思った。

相澤先生の頭を地面に叩きつけた脳無に再び接近する。

死柄木さんが「何度やっても同じだ」というような目で俺を見た。

いいや、少なくともさっき脳無に蹴りを入れた時よりパワーは上がっている。

そして彼はもう気づいているはずだ。

___俺の砕けた右腕が治っていることに。

死柄木さん、俺はアンタには手を出さない。

でもアンタの仲間なんて知ったこっちゃないんだ。

握りしめた拳で、右ストレートをかます。

何らかの物理法則が働き、脳無と俺を…いや、俺の拳を中心に円を描くようにして30センチほど地面が沈んだ。

しかし、

「あーあ、無駄だよヒーロー。そいつの個性はな…」

『…マジかよ』