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『本の家に少女は居た』オリジナル ページ5
壁という壁は本棚で埋まり
本棚に入りきらない
本が床を埋め尽くしている
窓までもが本棚で覆われ
日の光は一切さしていない
そんな薄暗い部屋の中心に
少女が座り込み、本を読んでいる
静かな空間に
本のページがめくられる音が響く
少女は外に出たことがないのではないかと思うほど
真っ白な肌をしていて
ふんわりと長い銀色の髪
触れたら壊れてしまうのではないかと思うほどの
細くて小さな体
いったいどれほど経ったのだろうか
少女がこちらを見て
小さな呟きが
空気を振るわせた
｢誰ですか？｣
まるで鈴が鳴ったのではないかと錯覚するような声
不思議そうな
透き通った青い瞳
この子はいったい…
人なはずなのに
何か違う
触れてはいけないような…
吸い込まれるように
青い瞳を凝視していると
少女は興味を失ったように
読書に戻ってしまった
少女には…
警戒心はないのだろうか？
他人が勝手に家に上がり込んでいるというのに…
はっと目的を思い出し
少女への思考を中止させた
今はこの家にあるらしい
世界一の人工知能を探さなくては
少女が居た部屋を後にし
他の部屋を探し回った
明かりはなく
カテーンは締め切られていて
昼間だというのに薄暗い
やっと見つけた
研究室らしき部屋で
ある記録を見つけた
少女の違和感の謎がこの時解けたのだ…
ラッキーアイテム
革ベルト
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作者名：月見 | 作成日時：2013年10月11日 21時
