幼馴染みの特権【牛島若利】

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県大会当日






「ゲッ」



「ん???」




あ、及川じゃん
岩泉くんもいる
控え室近くの廊下だから会うのは不思議ではないが




「岩ちゃん、俺こいつら嫌いだから代わりに挨拶してよ」


「俺も好きじゃねえよ」



岩泉くん言うね、怒るよ
とは言っても、去年も結構試合でボロクソにした記憶がある
最後俺も煽ったし、印象最悪だよな





「及川じゃん、本当に顔は整ってるよね〜
サーブも気持ち悪いくらい正確だし
千鳥山の西谷夕くらい気に入らないよ〜」



「奇遇だね〜
俺もお前のこと大嫌いだよ」



「まって大嫌いは言ってない」





本当にこいつうっぜぇくっそ
試合で絶望させてやる




「岩泉くんも今回はよろしくね〜」


「よろしくしねえけどよろしく」


「矛盾すぎるよね」





若利は及川と何やら話してる
どうせ及川が一方的に話して若利が理解してないんだろう






「まァ、今年も全国行かせてもらいますね〜」






及川はﾌﾞﾁｯと岩泉くんもﾌﾞﾁｯﾌﾞﾁｯと怒りのマークを見せる








「怒んなよ、お互いにベストを尽くそうね
俺は負ける試合はしない主義って覚えておいてね」



ね、と若利を見る



「負ける試合 は考えたことがない」




キョトンと答えるから俺は安心した









「ホンットこいつら嫌いだ!!!!!!!!!!」




及川の叫びが試合前の控え室近くの廊下で響いた

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