73 ページ35
「へぇ、青城負けたんだ」
俺は高みの見物といった場所から試合を眺めていた
若利は先にどこかへ行ってしまった
まぁ及川のところだろう、またどうせ「白鳥沢へ来るべきだった」と言っているんだろう
及川は俺達がどれだけ頑張って白鳥沢に来なかっただろう
「いーわいずみくん」
コイツがいる限り
俺は廊下近くの場所で彼の肩を叩いた
「あれ、泣いてたの?
あ、ごめん、俺泣いてたところ見てたわ
Sorry just kidding.」
煽りに煽った俺だが、これが精神年齢30代の言う台詞ではないな、と少し言って早々後悔した
だが、いつもの岩泉くんとは少し様子が違った
顔を下にして俺の顔を見ないで立ち尽くしている
なに、泣いてんの、嘘でしょ、ごめんて
「お前んとこの、牛島は、決めてほしい時に、きちんと決めるか」
「は?」
「俺は、最後のスパイクを決められなかった、
及川が、体張ってくれたトスを、決められなかった」
俺は黙ることしかできなかった
いつもなら上手いこと言って誤魔化しているが今日は確実にこれはできねえなって思った
俺はそこまで鬼じゃない、三十路のジジィを伊達にやっている訳では無い
「あそこで、決められなかったのに、何がエースだって話だよな、、、!!」
若干の涙声で俺に訴える岩泉くんからはプライドと後悔がねじ込められたものだった
エースのプライド、エースの役割、それを全て否定しているようにしか思えなくて
.
.
.
「岩泉くん、なんか今の岩泉くんカッコわりぃよ
俺に言うべきことはそれじゃないでしょ???
正直に言うけどさ、岩泉くんは相当俺と若利からすれば厄介な奴だよ、本当に」
「及川を白鳥沢にどれだけ誘ったって"岩泉一"っていう存在のお陰で来てくれなかったんだもん
まぁ、俺と若利が嫌いだっていう理由もあるんだろうけどさ
岩泉くんは俺のこと好きなの?」
岩泉くんは俺の胸ぐらを掴み最高の睨みと笑顔をこちらに向けながら言った
んぐ、苦しい
.
.
.
「大っ嫌いだ
お前らが及川を白鳥沢に?一生かけても無理だったな、あいつの選択は間違ってない、絶対にな
俺と及川のバレーはひとつも、何も終わっていねえ」
岩泉くんはトドメを刺すかのように俺の胸ぐらを離し俺の頬を掴んで引き寄せた
「"エースとしてのこのプライド"
絶対に忘れさせねえ、絶対にな」
826人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆめ - 面白すぎ笑笑笑笑笑笑 (2018年12月8日 13時) (レス) id: 67bcc62700 (このIDを非表示/違反報告)
ぴんすけ(プロフ) - 関節キスですか!?!?(鼻血) (2017年8月26日 3時) (レス) id: 402de47ee5 (このIDを非表示/違反報告)
けだる〜い1日 - 他のキャラのやりとりがすごく面白いです!これからも頑張ってください!! (2017年3月23日 11時) (レス) id: 173bd551c4 (このIDを非表示/違反報告)
小学3年から、腐ってます。 - 梓火さん» ありがとうございます?? (2017年3月12日 2時) (レス) id: a34bc0f956 (このIDを非表示/違反報告)
梓火(プロフ) - 小学3年から、腐ってます。さん» ユーザー名独特!w (2017年3月12日 0時) (レス) id: 69a4487cc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:騎虎 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/mkf0gl
作成日時:2017年1月9日 7時