幼馴染みの特権【牛島若利】2

70 ページ32

「若利、」



「なんだ?」




「どうやったら身長伸びんの??」





「よく食べてよく寝てよく動け」




いや、俺それすべてコンプリートしてるんだけど
ちゃんと8時間以上寝てご飯おかわりしてバレーのオーバーワークギリギリなんだけど


そう、俺は身長が低い、とても
日本男子の平均身長なのだが、バレーの世界ではそんなもの通用しない
普通に190cmはいるし伊達工には2mがいると聞いた
これはヤバイ、そう思ったんだ

若利と出会った頃は俺とさほど変わらなかった身長は今となっては俺の頭2つ分ほどの差が出てしまった
俺もハヤシライスめちゃくちゃ食べてればそうなれたのかな、俺シチュー派なんだけど







「Aはそのままでいいと思うぞ、遠くにいると見つけやすい」





「それは小さいから見つけやすいんだよね???
小さい人が遠近法使ったらもっと小さく見えるしね???」






小柄な身長であるため身軽で動きやすいのはいいのだが首が痛いのだ、そしてなんか腹が立つ
俺にだってプライドがある、男としてのな
漢字の【漢】と書いておとこと読むくらい俺はけっこう男気があると思う、いや岩泉くんには負けるけどさ

だからどうにかして170cmは欲しいのだ
現時点で身長は165cmほど
あと5センチ、、あと5センチなのだ
あの山形でさえ170以上はあるのに、リベロは小さい人がバレーをできるようにと決められたポジションだが、170cmは欲しいだろ、バレーとかじゃなくて普通に男として









「A」





「んだよ、」





「お前はスピードもレシーブも俺より強い
それなのに身長なんかいるのか?」





「…男として欲しいだろ、女の子は身長高い奴が好きだし、俺も貰い手が無いと将来困るんだよ」







若利は少し考えた素振りを見せたあと俺とまた向き合った








「俺が貰ってやろう、3食昼寝付きだ」




若利は少し自信あり気に答えた
どこでそんな言葉覚えたの、内山さん知らないんだけど
俺は突発的すぎて一時停止した後、やっと言葉の意味を理解してうずくまった

また、こいつ、変なこと言ったよ、

俺は顔を上げ若利を見た
若利はハテナの文字を頭の上で3つほど付けて俺を見ていた
本当にわかってねえんだな、こいつ、転がしてやろうか









「男だぞ、普通に俺
ついてるもんはついてるぞ」







「?知ってる」








「あ、そうですか、すみません
貰い手いるから、絶対いるから、本当」









本当にこいつには敵わないと思った

71→←69

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す