幼馴染みの特権【牛島若利】4

127 ページ18

「…あのチビ、なんかいつもより雰囲気違うな」




「試合の時みたいな???」





「違う違う、なんか、」





「何かを盗む目」







瀬見と山形の会話が聞こえてくる
その会話の元、日向翔陽を見る
モップを持ちながら感じる異様な貫禄
確かにその通りなのだ、試合の時の目とは何かが違う
どこがって聞かれたら困る感じ、ただ"怖い"
そう感じているのは確かだ







「…気に食わない」






とっても




.







.








.








「…おい、メガネ」





「月島です」






「月島、お前の動きはたまに力みすぎて高さが足りない時があるから気を付けろよ」






「…はい、あの」









月島は俺に謙虚な顔で聞いてきた









「僕に合わせてるんですか?」








何言ってるんだ
リベロは普通はブロックに合わせるのが普通だろう

と言いたいが、生憎俺は今までそういったプレーをしてこなかった
だから月島は疑問なんだろう

"こんな一年坊主になんで合わせているんだ" と







.







.







「お前が上手いから」






「…え?」






「若利のスパイクと渡り合って烏野を優勝へ導き出したのはほとんどお前だ
天童のブロックも破ってセッター煽り
本当に試合の時は怪我してそのまま帰ってくんなって思ってた」








月島はめちゃくちゃ微妙な顔で俺のことを見ていた
何言ってんだって思ってるんだろう
こいつ可愛くねえ









.









「でも、俺が昨日から立つコートでお前が必要だと思った、それだけ」








そう言うと月島は目を見開き、そうですかとだけ言ってポジションについた







.







.








.







.







「スパイクくるぞ!!!!」




「ブロック二枚!!」








若利はスパイクを打つがそれをセンター分けがレシーブをするがキレイに上げられなくあちらのチームのチャンスボールとなる

その後、大平がスパイクを打つが俺が上げ、それを五色が打ちこちらの点へとなる





「ナイスキー五色」





「はい!!」





.







.







「セミセミサービスエースとってね!」




「セミセミって何だヤメロ!!」




「ミンミンゼミさんアウトとってくださいね〜」





「A、てめえ下半身の息子に気を付けろよ」





うわ、怖すぎ
少し俺は身を攀じる

だが、瀬見のジャンプサーブは本気で強烈だ
俺も少し気を付けながら見ないと触ることすらできないのだ


.

128→←126

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す