2.Shota ページ2
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「聞いたよ。みんなの前で
蓮君のこと殴ったんだって？」
今にして思えば、俺は
とんでもないことをしたのかもしれない。
2人の間に割って入って
収まるものも収まらなくしたのは
俺なんじゃないのか。
だけど、もう
後悔したって後の祭りだ。
翔「………ごめん、なんか俺
頭に血が上ってて。」
「………いいよ。
私のこと、守ってくれたんでしょ？」
そう言うと、Aが俺に近づいてきて
俺の、赤くなった右手に触れた。
「右手………手加減してくれたんだね。
翔太、左利きだもんね。」
Aのその言葉に、何故か胸がギリギリと痛んだ。
あんなに酷いことをされて、それでもまだ
目黒のことを想って愛おしそうな表情をするAに
何故だか無性に苛立ちを感じてしまう。
翔「………もっとボコボコにしてやりゃよかった。」
「もう………翔太だって痛かったでしょ？」
そう言って俺の右手をさするAの手をグッと掴むと
彼女が、驚いて俺を見上げる。
翔「………おまえ、まだあいつのこと好きなの？」
至近距離で見つめるAの大きな瞳に
思わず吸い込まれそうになる。
こんな時なのに、やっぱり可愛いと思うなんて
俺は、どうかしているんだろうか。
「……………好きだよ。」
そして、こいつのこの言葉にいちいちイライラしてしまう俺は
一体何に対して苛立っているんだろう。
Aの腕を掴む手に思わず力がこもり
彼女が、思わず小さな悲鳴を漏らす。
翔「なんで？おまえと付き合ってんのに
他の女になびくような男のどこがいいわけ？」
「…………わかってるよ。
蓮君がもう、私のこと好きじゃないことくらい。
それでも、私はまだ好きなの。」
そう涙声で、潤んだ瞳で見上げられて
行き場のない感情が、胸を抉る。
慰めて、やりたかったのに。
傷ついてるのは分かりきってたから
優しくしてやりたかったのに。
それなのに、思い通りにならないAの心を
追い詰める言葉しか出てこない。
翔「目黒のことなんか、忘れろ。」
Aの表情がぐしゃりと歪んで
自分が今、いかに冷淡な声を発しているのかが解る。
「やだ………忘れたくない……………」
とうとう泣き出したAの身体を
彼女が抵抗する力を失くしたのをいい事に
半ば強引に抱きしめる。
その弱った心につけ込むように
いつまでも、俺の腕の中に閉じ込めていたいだなんて
きっと、俺はどうかしている。
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サラ(プロフ) - さちこさん» ありがとうございます(>_<)更新しましたので是非読んでください✨ (2021年12月15日 1時) (
レス) id: a22bbce5cb (このIDを非表示/違反報告)
さちこ(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです。続きがとても気になります、、、！！ (2021年12月14日 23時) (レス) id: 002ecea2ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2021年12月3日 9時
