ブリュレ【Shota.W Ren.M】

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家に帰ると、玄関に
またあの時見た目黒君の靴が置いてあった。




「ただいま。いらっしゃい、目黒君。」

ラ「おかえりー！Aちゃん。」

蓮「お帰りなさい。」


リビングのドアを開けると
また立ち上がってペコリと頭を下げる目黒君。


「いいよ、毎回立ち上がらなくて。」

真面目だなぁと思いながら、笑ってそう言うと
ニコッと笑いかけてくれる。


ラ「Aちゃん、めめね
早速課題持ってきたみたいだよ。」

蓮「いや、マジこれレベルたけーっす。」

どれどれ、と言いながら手に取ると
それは見覚えのある数学のプリントだった。


「ああ、仁科先生のやつだ。
私も1年の時仁科先生だったよ。」

蓮「マジすか。心強いっす。」

ラ「Aちゃん、理系だもんね。
でもAちゃんは全教科見れるよ。」

蓮「苦手分野とか無いんですか？」

「うーん、そうだね。
強いて言うなら古文とかかなぁ。
私、志望校私立だから、文系科目使わないし。」

蓮「充分っす。俺も志望校私立なんで
試験に古文とかは使わないですし。
俺は文系ですけど。」

「そっか。じゃあ遊び終わったら
後で部屋においで。
課題見てあげるね。」


私がそう言うと
2人が目を見合わせた。


蓮「お部屋、行っていいんですか？」

「うん？私の部屋に椅子２つあるから
2人で勉強出来るよ。」

ラ「Aちゃん、そういう意味じゃないから。
さすがに部屋に2人きりはちょっと……」

その瞬間、目黒君がラウの腕をパシッと叩いた。


蓮「さすがにそんなことしねぇよ。」

「じゃあ、ゆっくりしていってね。」


そう言って、私はリビングを出て
スタスタと階段を上り始めた。

目黒君はラウのお友達で
弟みたいな感じだったから
特に何も思わなかったけど……

あ、3年にファンクラブが出来るくらいの
超絶イケメンなんだった。

………ま、いっか。
口外しなきゃ大丈夫だろう。

そう思い直し、私はベットにカバンを放り投げた。

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