ブリュレ【Shota.W Ren.M】

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「ただいま〜。」

ラ「おかえり！Aちゃんっ」


帰って来るなり
勢い良く私に抱きついてきたのは
弟のラウール。


「ちょっとラウ、重い………」

ラ「Aちゃん、今日もかわいい！」

「ハイハイ、ありがと。」


15歳ながら、185cmの高身長に
彫りの深い顔立ち。

私はママ似で純日本的な顔立ちだけど
外国人である父親の血を色濃く引いた彼は
私とはあまり似ていない。


「あれ？お客様？」

玄関には、ラウの物にも勝るとも劣らない
大きな靴が置いてあった。


ラ「うん！友達連れてきた！」


内心、珍しい……と思いながらリビングに入る。
そこには、私の高校と同じ制服を着た男の子が
ソファに座っていた。


「お邪魔してます。」

私が入って来るなり、サッと立ち上がり
ペコリと頭を下げた彼は
ラウールと同じくらい背の高い
綺麗な男の子だった。


「いらっしゃい。ゆっくりしてってね。」

そう言って微笑むと
彼は、くりくりした瞳で、

「初めまして、目黒蓮です。
ラウール君とは、ダンス教室が一緒なんです。」


ああ、なるほど。
ラウに高校生の友達がいるのも納得だ。


ラ「Aちゃんと姉弟だって言ったら
めめが会いたいっていうからさぁ。」

「え？」

蓮「Aさん、俺の学年でも有名なんスよ。
校内でも指折りの才女だって。」

「ええっ？そうなの？
知らなかった………」


そりゃ、学年ではチヤホヤされることもあるけど
まさか新入生の間でも話題になっていたとは。


ラ「めめ、よくAちゃんと同じ高校入れたよね。」

蓮「ついていくの必死だから！」

「そうなの？じゃあ今度勉強見てあげるね。」


そう言うと、彼は少し驚いた顔で
私をまっすぐ見つめてきた。


蓮「………いいんですか？」

「うん、ラウのお友達だもん。
いつでも遊びにおいで。」


じゃあゆっくりしていってね、と
私はリビングを出た。


この時、少しずつ運命が動き出していたのを
私はまだ、知る由もなかった。

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