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You side.
辰哉から冷たい言葉が吐かれても、目黒蓮は私を離そうとはしない。眉間に皺を寄せた辰哉はゆらりと近付き、私の手首を掴んだ。
「っ、」
ギュッと掴まれた手首に少し痛みを感じる。
「.....離せよ」
「やだ」
「A、嫌がってんだろ」
そういうとすぐに腕が緩み、その隙をついてグッと辰哉の胸に引き寄せられた。
「コイツに用があるからどっか行ってくんね？」
「はいはい。じゃあまたあとでね、A」
目黒蓮はあまりに簡単に辰哉の要求を飲み込んでその場を去っていった。
「何してんの？連絡しても出ねぇし」
まだ暗い瞳をした辰哉がそう問い掛けた。
「何、って、」
��辰哉を忘れる為に偽装の恋人ごっこをしてる��
��何で抱きしめられた私を引き剥がそうとしたの？��
��何でそんなに怒ってるの？��
聞きたいことも言いたいこともたくさんあったけど、彼が私の手を離してハァッと深く溜め息をついたから、タイミングを失って頭に浮かんだ言葉を飲み込んだ。
「今日暇？」
「暇じゃ、ない、」
「え....」
彼は驚いた顔で私を見つめた。
驚いた顔をするのも無理はない。
この3年間、一度たりとも彼の誘いを断ったことなんてなかったのだから。
どれだけ疲れていても、やらなければいけないことがあっても「会いたい」の一言で全て投げ出して彼の元へ向かっていた3年間。
繋ぎ止めるのに必死で、自ら都合のいい女に成り下がっていたことにようやく気が付いた。それもこれも、目黒蓮のおかげ。
もう、変わらなくちゃいけない。
「ごめん、約束がある、」
「そっ、か、」
彼は想像以上に動揺しているように見えた。
「夜、とかは？」
ダメ。
その瞳に揺れてはいけない。
「何時になるか分かんないから」
後ろ髪を引かれるように切なく軋む心。
「わかった」と小さく呟いた彼は、さっきよりも背中に丸みがあるように見えた。
ごめん、辰哉。もう決めたから。
もうやめにするって、そう決めたの。
私は、糸を掴んだ手をゆっくりと広げ始めた。
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cleam(プロフ) - たむたむよーぐるとさん» 本当ですか....！たくさんの作者様の中から選び、読んでくださりありがとうございます！目黒くんの良さが伝わって良かったです(TT)これからも頑張りますので、どうぞ宜しくお願いします！ (2020年10月26日 9時) (
レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
たむたむよーぐると(プロフ) - cleamさんのお話が今まで出会った作品の中で大好きです。最近、目黒さんが短髪にしたのでわんこ感と言いますか、この作品に今の目黒くんが凄くあってる気がして最後まで幸せに読ませていただきました。これからのお話も楽しみにしてます！ (2020年10月25日 22時) (レス) id: 7d93851ad3 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - センさん» ありがとうございます！そう言ってもらえると書いていてよかったなと思えます(TT)読んでよかったと思ってもらえるように頑張りますので最後まで宜しくお願いします！ (2020年10月22日 22時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - とても大好きなお話です。切なくて、でもそれぞれの気持ちも分かるし。かなり真剣に読ませて頂いております笑これからも応援しています！更新お疲れ様です。 (2020年10月22日 11時) (レス) id: 0585149188 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - あゆささん» コメントありがとうございます！そんな気持ちになっていただけて嬉しいです(TT)私も書いていて、めめふか両方とも幸せになる道を探してしまいました....是非、最後までお読みいただけると嬉しいです！ (2020年10月21日 22時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2020年10月9日 21時
