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You side.
まだ幼かった私は、母に手を引かれて近くの公園に遊びに来ていた。
そこは閑静な住宅街の中にあるとても小さな公園で。
まだ小さかった私は、映るもの全てが目新しくてそんな小さな公園を宝の島のように感じていた。
ペンキが剥がれた滑り台も
誰かが作った壊れかけの砂のお城も。
何もかもが気持ちを昂らせる材料になった。
そんな私の宝の島で出会った同い年くらいの小さな男の子。
ママはその男の子のママと親しげに話をしていて、手を繋がれたままの私たちはただただお互いを見つめていた。
「う....」
私たちの沈黙を破ったのは、その小さな男の子だった。
「うさぎ、かわいいね」
私は左手で自分のお腹の辺りにプリントされたうさぎを撫でた。
嬉しかった。
私の一番のお気に入りの洋服を褒めてもらえたから。
「そのいぬも、かっこいいね！」
だから私も同じ気持ちになってほしくて、男の子の洋服についた犬のワッペンを指差して褒め返した。
「これね、いぬじゃなくて、おおかみなんだよ」
男の子が少しだけしょんぼりとした顔をしたのが何故か深く記憶に刻まれた。
...
それから私たちは公園に行くたびに、顔を合わせては一緒に遊ぶようになった。
公園に行く時は必ず、あの時褒めてくれたうさぎの服を着ていくのが私の日課。
いつしかその男の子は私のことを��うさぎちゃん��と私はその男の子のことを��おおかみくん��と呼ぶようになった。
「うさぎちゃん、みてみて！」
「なあに？」
「このおはな、きれいだね！」
「ほんとだあ！おれんじでふわふわだね！」
さっきまでふわふわと嬉しそうに笑顔を浮かべていたおおかみくんは、すぐに悲しそうな顔をした。
「つぎにこのおはながさくときは、」
「なあに？」
「ううん！やっぱりなんでもない！うさぎちゃんは、またぼくといっしょにあそんでくれる？」
「うん！」
「ありがとう！やくそくね！」
家に帰る時間を告げる夕方のオレンジが、彼の頬を赤く染めていく。
彼はその後、この公園に姿を現すことはなかった。
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cleam(プロフ) - たむたむよーぐるとさん» 本当ですか....！たくさんの作者様の中から選び、読んでくださりありがとうございます！目黒くんの良さが伝わって良かったです(TT)これからも頑張りますので、どうぞ宜しくお願いします！ (2020年10月26日 9時) (
レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
たむたむよーぐると(プロフ) - cleamさんのお話が今まで出会った作品の中で大好きです。最近、目黒さんが短髪にしたのでわんこ感と言いますか、この作品に今の目黒くんが凄くあってる気がして最後まで幸せに読ませていただきました。これからのお話も楽しみにしてます！ (2020年10月25日 22時) (レス) id: 7d93851ad3 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - センさん» ありがとうございます！そう言ってもらえると書いていてよかったなと思えます(TT)読んでよかったと思ってもらえるように頑張りますので最後まで宜しくお願いします！ (2020年10月22日 22時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - とても大好きなお話です。切なくて、でもそれぞれの気持ちも分かるし。かなり真剣に読ませて頂いております笑これからも応援しています！更新お疲れ様です。 (2020年10月22日 11時) (レス) id: 0585149188 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - あゆささん» コメントありがとうございます！そんな気持ちになっていただけて嬉しいです(TT)私も書いていて、めめふか両方とも幸せになる道を探してしまいました....是非、最後までお読みいただけると嬉しいです！ (2020年10月21日 22時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2020年10月9日 21時
