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「むぎちゃん今日プリンセスなんだね」
ふわりと揺れるスカートを見ながら言うと、むぎちゃんはとても嬉しそうに頷いた。
「うん!パパがドレス買ってくれたの!」
「すっごい似合ってるよ。良かったね」
「きょうむぎはずっとプリンセスだからね!」
プリンセスごっこか何かかなぁ、なんて思っていたら洗い物を終えた目黒くんが声をかけた。
「今日はプリンセスをおもてなしする日なんでAさんも手伝ってくださいね」
「おもてなし?」
「今日むぎの誕生日なんすよ」
「え!?」
急遽決まったおもてなしデート。
むぎちゃんのリクエストに応えてテーマパークに訪れた。
目黒くんの運転で向かうあのテーマパーク。
お城の前で写真を撮ったり、本物のプリンセスに遭遇したり。とにかくむぎちゃんが楽しそうで私も嬉しかった。
「てつなご!」
むぎちゃんを挟んで3人で手を繋いで歩く夢のような空間。
側から見たら、私たちは家族に見えるのだろうか。
そんなことを考えながら無邪気にはしゃいでいる2人を見つめた。
...
「むぎちゃん寝ちゃったね」
1日中はしゃいだむぎちゃんは幸せそうな顔ですやすやと眠っていて、寝顔を見ていると言い表しようのない優しい気持ちに包まれた。
「凄い楽しかったんだと思います。あんな笑顔のむぎ見るの久しぶりだったんで」
「楽しんでもらえたなら良かった」
「すみません、今日無理矢理付き合わせちゃって」
彼は「どうぞ」と缶ビールを差し出して私の隣に座った。
「ううん、私もすっごい楽しんじゃったし」
「それなら良かった」
カン、と軽く触れ合わせた缶。
テレビもつけない静かな部屋は、缶の中で弾ける炭酸の音が聞こえるほどで。
何を話すわけでもなく、ただ無言の時間が2人の間を流れた。
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cleam(プロフ) - あちゅ。さん» ありがとうございます....!実際に体験を....😳懐かしさまで感じていただけるなんて光栄です😭そして別作品にも興味を持ってくださりありがとうございます( ; ; )とっても嬉しいです( ; ; ) (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - Yuiさん» ありがとうございます( ; ; )感情移入までしていただけるなんてとても嬉しいです( ; ; )待ち望んでくださる方がいてとても幸せです。残り数ページで短編を投稿することにしたので、最後まで楽しんでもらえたら幸いです。 (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - しぇるさん» しぇる様、初めてのコメントありがとうございます....!そして嬉しいお言葉をありがとうございます( ; ; )余力がなくて移行が出来そうにないので、短編だけ書かせていただくことになりました....!続編を希望してもらえて光栄です。ありがとうございます( ; ; ) (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - saeさん» ありがとうございます( ; ; )他の読者様からも有難いことに続編希望のコメントを頂いておりまして、続きを書こうと思ったのですが移行するほどの余力もない為、残りの数ページで短編を書くことにしました....!楽しんでもらえたら嬉しいです。 (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ラ イ スさん» ありがとうございます( ; ; )きっとめぐろくんと生活を送ることが出来たら、支え合って凄く良い家庭になりそうですね☺️ (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cleam | 作成日時:2021年11月13日 22時