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廉side
「海人、お前もう、保健室来んな」
キツく言いすぎた。
でも、言わなあかん。
「え、」
「さすがに、授業でなあかんし。」
「や、でも、」
戸惑う海人を後目に
「来るな」
俺は、キツく、真剣な表情でそう言った。
「分かっ、た」
今にも泣きそうな海人を抱きしめたい。
「ん。で、海人の話は？」
そんな気持ちは押し殺す。
「俺のは、いいや」
「そ。」
ごめん、海人。俺もうお前に優しく出来へん。
したら、気持ちが抑えきれんくなる。
「れん、俺もう帰るね。」
「え、まだ授業中やけど」
「俺、いない方がいいでしょ？」
そんなことない。
おって欲しい。
でももう、そんなこと言えへん。
「あ、えっと」
「れん、最後にひとつ聞かせて。」
海人が大きな瞳で、ジッと俺を見つめる。
「何？」
「俺の事、嫌い？」
最後に、この気持ち、伝えちゃっていいのかな。
いや、良いわけない。
「ごめん海人。好きや。大好きやった。」
そんなことを思っても、もう遅かった。
俺の口からは、閉じ込めた気持ちが全て溢れた。
「そっか。俺も、れんのこと好きだったよ。今までありがとう。じゃあね」
そう言って保健室を出ていった海人。
海人の頬につたう一筋の涙、隠しきれてない。
ごめん。
こんな奴で。
海人のこと幸せに出来るやつはきっと他にいるから。
今までごめん。
「じゃあね」
海人の声が頭に響く。
「嫌や。かいと、愛してる、大好き、ごめん、おれ最低や」
俺の目から溢れた涙は止まることを知らなかった。
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作者名：月見ＵＳＡＧＩ | 作成日時：2021年2月14日 17時
