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蓮side
家でだらだらしてたら震えたスマホ。
誰かと思い見てみると
「A……！？」
Aだった。思いもしなかった相手に動揺しながら電話に出ると
『たすっ、けて！誰かが、着いてくる、』
え、？
けれどここで俺があたふたしたらだめだ。
冷静になって、コンビニへ行ってというのを伝える。
どこのコンビニなのか聞くと『私の家に1番近いコンビニ』とのことだった。
慌てて車を走らせながら考える。
何もされてないかな、泣いてないかな、
電話でのAの声はとても震えていた。
Aに怖く、辛い思いをさせた奴が許せない。
ハンドルを強く握りしめ、一刻も早くとコンビニへ車を走らせた。
コンビニに着き、Aを車に乗せる。
Aは俺の家に来ることになった。
……いつぶりだろう。
静かな車内。
ちらっとAを見るとボーッと外を眺めていた。
赤くなった目。泣きそうな顔。
俺が今でもAの側に居ていたら…Aはこんな思いをしなくて済んだのではないか。
なんて、また過去の事を考えてしまう。
こうして二人で同じ車に乗っている訳だけど、俺達は昔に別れた。しかも俺から振った。
なのに俺は未練が残っている。何なんだろう俺って。
こう、自分で自分が嫌になることはよくある。
Aはもう俺の事はただの元彼としか思ってないのだろうか。そうだろうけど、それを聞く勇気なんて俺には無かった。
「…着いたよ。」
『うん…ありがと。』
ぎこちないけれどどこか昔を思い出す会話。
そこからは俺もAも無言だった。
Aは少しキョロキョロしながら俺の後ろを着いてくる。
…可愛いと思ったのは心にしまっておこう。
「適当にソファーとかに座って。それとも、シャワー入ってくる？」
『じゃあ、…シャワー、借りてもいい？』
「うん、ゆっくりしてきな。そこを曲がった所ね。」
「タオルは置いてあるの使って。服は…後で俺の脱衣所に置いていくから。」
『ありがとう。…ごめん、』
そういってこの場を後にしたA。
あれは…メンタル的に凄くやられているだろう。
服は、洗濯で縮んでしまったのがあった。
それらを脱衣所に持っていく。
少しすると、Aがあがってきた。
『ありがと…ごめ、』
「謝んないで。大丈夫だから。Aの事だから迷惑かけたとか思ってるんだろうけどそんな事無い。」
「髪…俺乾かそっか、」
『え、！いや、いいよ』
「無理すんな、何もしないし」
『じゃあ、お願い…します。』
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作者名：Mearu | 作成日時：2021年9月12日 21時
